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『ヴィクトリア女王 最期の秘密』ジュディ・デンチ インタビュー

保守的な堅物女王のイメージを二度も刷新させた名女優

『ヴィクトリア女王 最期の秘密』ジュディ・デンチ インタビュー
人には、生きるための原動力が必要なのです

『ヴィクトリア女王 最期の秘密』
2019年1月25日より全国公開
(C)2017 FOCUS FEATURES LLC.
18世紀に繁栄を極めた大英帝国に長く君臨したヴィクトリア女王。その晩年を輝かせたある出会いを描いたのが『ヴィクトリア女王 最期の秘密』が、今週末より公開される。

最愛の夫と従僕をなくし、生きる気力をなくしていた女王の前に現れたのは、英領インドから記念式典のためにやってきた若者アブドゥル。女王は、真っ直ぐに自分に向き合い、異国の言葉や文化を教えてくれた彼に心を許し友情を育むが、周囲は2人の関係に猛反対し……。

『Queen Victoria 至上の恋』以来、2度目となるヴィクトリア女王役を演じたジュディ・デンチに話を聞いた。


──アカデミー賞にノミネートされた『Queen Victoria 至上の恋』(97年)でヴィクトリア女王を演じ、今回でヴィクトリア女王役は2度目ですね。女王についてどう思いますか。ヴィクトリア女王といえば非常に保守的な時代を思い浮かべますが、あなたはそうしたパブリックイメージを変えたのではないでしょうか。

『ヴィクトリア女王 最期の秘密』
(C)2017 FOCUS FEATURES LLC.
デンチ:映画では、彼女の非常に人間的な部分が見えると思います。実の子供たちとはあまり良い関係性ではなかった一方で、1人の若い青年と仲良くなれた。彼女のとても人間的で慈悲深い面を表していると思います。

──『ヴィクトリア女王 最期の秘密』で明かされる物語を読んで、驚きましたか?

デンチ:本当に驚きましたし、嬉しくなりました。80歳にもなって、細かく決められた予定表があって……秘書が冒頭で言っていましたね、「4時にお茶をして、4時半に何々をして、4時45分には…」この状況からどうやって逃げ出せますか。彼女にとって、アブドゥルのように何でもない話題で会話ができる相手を見つけられたのは、とても素晴らしい出来事だったのです。実の子供たちともそれができなかったのですから。アブドゥルへの愛情、ともすると彼に対する母親のような気持ちも含め、様々な要素が入り交じった関係性だったに違いありません。

──ヴィクトリア女王とインド人従者アブドゥルの友情について教えてください。

撮影中の様子/ジュディ・デンチ(左)とスティーヴン・フリアーズ監督(右)
デンチ:ヴィクトリア女王は最愛の夫アルバートを失った後、スコットランド人の従僕ジョン・ブラウンととても親密になりました。しかし、そのジョン・ブラウンも亡くなり、彼女には心から安らげて自由に話ができる存在が必要になりました。堅苦しい王室の儀式もなく、四六時中、気をつけの姿勢で立っている人たちもいないところでね。
 そんな中、ヴィクトリアとアブドゥルの間に結ばれたのは、敬愛の関係だったのでないかと思います。スピリチュアルな面もあったかもしれません。それは彼女がアブドゥルからコーランやウルドゥー語を習いたがったことからもわかります。彼から得るものは沢山ありました。彼女はきっと、彼の優しいところも好きだったと思います。あとは、アブドゥルを演じたアリ・ファザルを見てわかると思うけど、彼が傍にいることについて、良い意味で気にならないでしょう? それは2人の関係性にはとても重要なことだったはずです。

──アブドゥルを演じたアリ・ファザルについてはどう思いますか? 彼はボリウッド映画『きっと、うまくいく』(09年)でスクリーンデビューし世界的注目を集めた期待のインド人俳優ですね。

デンチ:ジョニー・デップの代役になれるんじゃないかしら。若い頃のね(笑)。彼は、とても美しいの。とても美しくて、優しくて、知性がある。ユーモアのセンスも素晴らしい。何度も笑わせてもらったわ。それから彼もとても背が高い。とってもすてき! 彼に惹かれない人なんているかしら。

──ワイト島にあるヴィクトリア女王の別邸オズボーン・ハウスでの撮影はいかがでしたか?

『ヴィクトリア女王 最期の秘密』
(C)2017 FOCUS FEATURES LLC.
デンチ:あの場所で演じられたのは、とても良かったです。実際にヴィクトリア女王が使用していた机に着くことができたのは特別でした。あのヴィクトリア女王の机よ!窓から外を眺めて……100年分の高さの木々が見えて。あのサイズの木にとっては100年なんて大したことはないでしょうけど、それでも見ると思うの。「これが物事のあらまし」とね。ワイト島の木々は本当にすてきでした。

──映画を見ると、女王は1人ぼっちで疲れていたところ、アブドゥルと出会い彼女の人生を取り戻してくれたように見えました。2人の友情があったから、女王は長生きしたのではないでしょうか?

デンチ:きっとその通りですよ! 2人の友情は、彼女の寿命を延ばしたと私は確信しています。そうに違いありません。ワクワクしたり、興味を持ったり、何か求めるものができた時、人は生き返る気がしますよね。そういうものはエネルギーを与えてくれます。人には、そうした生きるための原動力が必要なのです。

(2019/01/22)


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ジュディ・デンチ
Judi Dench

1934年12月9日生まれ。イギリスのヨーク出身。1957年にオールド・ヴィック劇場の「ハムレット」でオフィーリア役を演じて以来、イギリスで最も権威ある賞のひとつローレンス・オリヴィエ賞を史上最多となる8度受賞。映画では、007シリーズの“M”役で世界的に知られ、『007 スカイフォール』(12年)は7本目にして最後の出演となった。『恋におちたシェイクスピア』(98年)で第71回アカデミー賞助演女優賞を受賞。初めてヴィクトリア女王役を演じた『Queen Victoria 至上の恋』(97年)では第51回英国アカデミー賞主演女優賞と第55回ゴールデン・グローブ賞主演女優賞に輝き、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。その後も、『アイリス』(01年)、『あるスキャンダルの覚え書き』(06年)そして、本作を手がけたスティーヴン・フリアーズ監督の『ヘンダーソン夫人の贈り物』(05年)、『あなたを抱きしめる日まで』(13年)と5本の作品でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。待機作に『Red Joan(原題)』、『Artemis Fowl(原題)』、大ヒットミュージカルの実写化『Cats(原題)』などがある。88年には”ナイト”に相当する大英帝国二等勲爵士“デイム”を、2005年には名誉勲位を授与。さらに11年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞し、日本に招かれた。

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