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『ペンギン・ハイウェイ』石田祐康監督×北香那インタビュー

大失敗でアドレナリン全開!が功を奏した? 北香那が監督に平謝り

『ペンギン・ハイウェイ』石田祐康監督×北香那インタビュー
声フェチなので、アニメのオーディションに大興奮!(北香那)

『ペンギン・ハイウェイ』
2018年8月17日より全国公開
(C)2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会
小学4年生の少年がひと夏に体験する不思議な出来事と、その成長模様を独特の世界観でみずみずしく描き出し、多くのファンに支持され続けている森見登美彦の人気小説「ペンギン・ハイウェイ」が気鋭のアニメーションスタジオ、スタジオコロリドによってアニメーション映画化された。

メガホンを執ったのは、大学在学中に発表した『フミコの告白』で国内外の賞を多数受賞し、劇場デビュー作となる短編アニメーション『陽なたのアオシグレ』も高く評価された、気鋭のクリエイター石田祐康。また、主人公アオヤマ君の声優を、オーディションで役を射止めた若手女優・北香那がつとめている。そこで今回は石田監督と北に、独特の世界観が楽しめる本作の魅力について聞いた。


──北さんといえば、テレビドラマ『バイプレイヤーズ』シリーズで片言の日本語を話していたジャスミン役の印象が強いですが、今回の少年役はその印象がまったく違っていたことが驚きだったのですが。

インタビュー中の北香那(左)と石田祐康監督(右)
監督:自分もあの中国人役を拝見させていたいただいて、すごいなと思っていたんです。片やこちらではアオヤマ君役で、日本語を流ちょうにテキパキと話す姿にコントラストがあって。「うまい!」と思いました。

:うれしいです。ありがとうございます。

──そもそもこのアオヤマ君役はオーディションで選ばれたそうですね。

:実はオーディションのときに道に迷ってしまいまして。少し遅れてしまったんです。これはまずいと。こんなにやりたかった声優のオーディションなのに遅れてしまうのかと思って必死に走ったんです。そしてドアをバッと開けて「本当にすみませんでした!」と謝ったら、皆さんが「大丈夫、大丈夫!」と言ってくださって。逆に気を遣わせてしまいました。しかし遅刻なんてことはあってはならないことなので、本当にごめんなさいと謝って。「はぁはぁ」という状態でオーディションを受けたのを覚えています。

監督:なんだかすごい謝りっぷりだったんですよね。音響監督も、ミキサーの方もみんなで「大丈夫、大丈夫!」と言いました。

──その後のオーディションは平常心で受けられたんですか?

北香那
:正直、「遅れてしまった…やってしまった…」と思って。平常心じゃなかったんですけど、でも家で練習してきたアオヤマ君を出さないといけないから。それは全力で出したつもりでした。

監督:でも演技も普通にやってくれていましたけどね。ただ逆に言うと、演技が良かったから選んだというのは当然のことなので。結果オーライじゃないけど、焦ってアドレナリンが上がった感じで演じたことが、全力な感じで、ドシンと真っ向勝負で来たように感じられたのかもしれませんね。

:でも、こんなことはあってはならないので…。あの時は本当にすみませんでした。

監督:でも結果としてこうやって巡り会えたので。今では笑い話ですよ。

──少年の役をやるということで難しかった点は?

石田祐康監督
:初めて声を当ててみた時には、もうちょっと男の子っぽさを出してほしいと言われました。あとはしゃべり方のメリハリですね。カクカクしたしゃべり方をもうちょっと足してほしい、小学校6年生だと思ってやってほしいと言っていただいたことがすごく印象に残っていて。もともとわたしはそこまで滑舌が良い方ではないんですけど、アオヤマ君は滑舌がすごく大事なので。そこにたどり着くまでがけっこう難しかったというか。努力しないといけなかったところでした。

監督:でも、ほとんどの人がアオヤマ君みたいなしゃべり方はしないですけどね(笑)。ただ、ひとつ言っていたのが、教科書的な感じというか。ちゃんと句読点を切って。テキパキと教科書のように読んでほしいということ。難しいとは思いましたけどね。

──そもそも北さんは声優のお仕事をするのが夢だったと聞いています。

:女優というお仕事を始めた直後くらいから、声優さんをやってみたいと思ったんですよね。うちは兄弟がいるので、アニメが流れることが多かったんですよ。わたしは声フェチなところがありまして。アニメの声ってスーッと入ってきて心地よいじゃないですか。そういった声にあこがれがあって。自分もそういうことをしてみたいなと思いました。中学2年生くらいだったんですけど、漠然と声優の学校にも行ってみたいなと思っていたこともありましたね。だからオーディションの話が来た時はウワーッと思って。気合を入れてオーディションに行ったんです。

監督:そういう思いがずっとあったからこそ、遅刻してしまった時の心境たるや…。

:そうなんですよ。会場には30分くらい前に着いていたのに、グルグルまわって。裏に行ったりして、着かないなと思っていて。ずっと迷っていたんです。

──もしかして方向音痴ですか?
『ペンギン・ハイウェイ』
(C)2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

:はい、方向音痴です。すみません(笑)。

──結果、いい出会いになったわけですから。ところで収録は蒼井優さんと一緒にやったそうですね。

監督:後ろのブースから見ていると、2人は本当にアオヤマ君とお姉さんのように見えましたよ。

:私は蒼井さんがすごく好きで。その時初めて会ったので、「うわぁ」みたいな気持ちになったんですが、蒼井さんがわたしをリラックスさせようといろいろとおしゃべりをしてくださったので、すごく楽しい時間でした。

──北さんは映画をご覧になってどう感じました?

『ペンギン・ハイウェイ』
(C)2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会
:本当にカラフルでかわいくて。やっぱり物語が深いし。わたしは最後のシーンが大好きなんです。あのパワーがすごく、石田監督から出ている感じと似ているなと思って楽しく見ました。

監督:本人の感じと似ていると言われたのは初めてなんで面白いですね。本編にはペンギンパレードというシーンが出てくるんですけど、あそこは自分の中にある、動きたくてうずうずしている感じというか、初期衝動が出ているところだと思います。とにかくアニメを作るからには絵を動かしたいなという気持ちを発散させたという感じはありますね。

:それを聞くとなおさらそう思いますね。

──最後に映画をご覧になる方にメッセージを!

インタビュー中の北香那(左)と石田祐康監督(右)
監督:この作品、まず何をおいてもペンギンがかわいいと思います。スタッフ一同頑張って、ああでもない、こうでもないと言いながらペンギンを描いていったので。このペンギンたちを愛(め)でていただけたのなら、まずは成功かなと感じております。ペンギンを愛でつつ、じっくりと味わっていただければと思います。

:見る年代によって見方が全然違う作品じゃないかなと思います。本当にペンギンがものすごく可愛くて、冒険もワクワクしながらも観ることができると思いますし、大人の方は絶対にキラキラしたものを思い出すと思います。そして帰る時には、大切な人がもっと大切に思えるような。そんな深い作品になっていると思うので、ぜひ楽しんでください。


(text:壬生智裕/photo:小川拓洋)

(2018/08/29)


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石田祐康
いしだ・ひろやす

1988年7月3日生まれ。愛知県出身。2013年に劇場デビュー作品となる『陽なたのアオシグレ』を発表。監督・脚本・作画を務めた同作は、シンプルなストーリーながら疾走感あふれる映像が話題となり第17回文化庁メディア芸術祭にてアニメーション部門の審査委員会推薦作品に選出された。14年にはフジテレビ系「ノイタミナ」の10thスペシャルアニメーション『ポレットのイス』を制作。本作で劇場長編作品監督デビューを飾る。

北香那
きた・かな

1997年8月23日生まれ。東京都出身。2010年にミュージカル「赤毛のアン」のアン役で舞台デビュー。映画では耳の不自由な主人公を演じた『震動』(12年)をはじめ、『中学生円山』(13年)、『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』(16年)などに出演。テレビドラマ『バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜』(17年)では350人のオーディションからヒロイン役に抜擢され、6人のベテラン個性派俳優たちとの共演で堂々たる演技を見せ注目を集める。アニメーション映画への声の出演は今回が初となる。

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