『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』中野裕太インタビュー

人気個性派が自身の恋愛タイプを告白!

#中野裕太

恋愛に関してはあまり積極的なタイプではない

facebookでの交流から始まった日本人男性と台湾人女性の恋。実話をもとにした『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど』が好評公開中だ。

国境を越えて心を通わせる2人を演じたのは、『新宿スワン』などの演技派・中野裕太と、これまた演技派の台湾人女優ジェン・マンシュー。

恋愛にはちょっと奥手の日本人男性・モギさんを演じた中野に、本作について語ってもらった。

──映画の撮影で初めて台湾へ行ったそうですが、台湾や、台湾の女性の印象はどうでしたか?

中野裕太

中野:とにかく人が温かいという印象でした。その人なじみの良さや、壁を感じさせない雰囲気の居心地が良くて、あっという間に溶け込めましたね。今では現地に友だちもできて、撮影が終わってからもプライベートでよく遊びに行っています。
 台湾の女性の印象は、あまり表には出さないものの内面に情熱を秘めている、という感じでしょうか。ラテン系のような陽気さと、アジア人特有の繊細さみたいなものを同時に持ち合わせているような感覚でしたね。

──恋愛には奥手な男性を演じていますが、中野さんご自身は恋愛ではどんなタイプですか?

中野:恋愛に関しては、実はあまり積極的なタイプではないんです。なので、ちょっぴりシャイで口数も多くないモギさんのキャラクターには共感するところがありましたね。恋に恋している感じとか。
 逆にモギさんがものすごくチャラくて、ナンパも平気でするようなタイプだったら、演じるのも大変だったかもしれません(笑)。とはいえ、モギさんのように会ったことのないリンちゃんに台湾まで会いに行くなんてことも、自分にはなかなかできないと思います。

やっぱり「恋愛っていいな」という感想に尽きる
『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』
(C)“Mamadame” production committee 

──映画の中でのお気に入りのシーンはありますか?

中野:やっぱりリンちゃんとモギさんが初めて台湾で出会うシーンですね。駅で待ち合わせをするのですが、緊張や不安、期待とドキドキが入り交じるモギさんのすべての心境を、あの数秒で表現する必要がありました。
 映像もスローモーションになるんですが、そのときの音楽・映像など、監督の演出もとっても細やかで好きなんです。何より、2人の物語が動き出す、すべての始まりとなるシーンですから、思い入れも強かったですね。

──とても自然体な演技でしたが、演じる上で工夫したことなどはありますか?

中野:実は今回の撮影現場が、みんな本当に家族のように仲が良くて、楽しい雰囲気だったんです。原作のモデルとなっているリンちゃん・モギさん本人たちも毎日のように現場に来ていて、「もっとこうしてみようよ」と皆で意見を出し合ったりしていました。そんな和気あいあいとした現場だったからこそ、嫚書とも壁を感じなかったですし、カメラが回っているときもそうでないときも自然体でしたね。
 映画の中で、リンちゃんとモギさんが日本の各地を旅行するシーンがあるんですが、実は2人の会話や演出はほぼすべてアドリブなんですよ! リンちゃんがモギサンの前でおならをしてしまうというエピソードだけは台本に書かれていたんですが(笑)、それ以外はすべてアドリブです。「寒い!」というマンシューに僕がコートになって覆いかぶさったり、マンシューが僕を指差して「あ! 富士山!」と叫んで、僕が富士山のポーズをしたり(笑)。
 映画を見た人の中には、僕らが本物のリンちゃんとモギさんだと勘違いする人もいるみたい。僕にとっては、それが一番嬉しい感想でしたね。ドキュメンタリーとしてただ2人のストーリーを追いかけるんじゃなく、僕と嫚書にしか演じられないオリジナルのファンタジーにして、映画を見る人に届けたい!という想いがありましたから。

『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』
(C)“Mamadame” production committee 

──今回の撮影を通して、監督やリンちゃん、モギさん含めて、プライベートでもすっかり仲良くなったと聞きました。

中野:そうなんです。今でも月に一度は皆でご飯を食べに行ったり遊んだりしていますよ。皆のグループLINEもあるんですが、そのグループ名は「どこか騒ぎたいカンジ」っていう(笑)。もちろん、名付け親はリンちゃんです。

──映画の撮影で1ヵ月近く台湾にいらっしゃったとのことですが、お気に入りのお店や好きになった台湾の場所はありますか?

中野:沢山ありますが、中正記念堂駅の近くにある「金峰魯肉飯」という店の魯肉飯(ルーローファン)はよく食べていましたね。撮影は夏場だったので「冰讃」でマンゴーかき氷を食べたり。
 好きになった場所といえば、海のシーンで訪れた福隆(フーロン)のエリアも良かったですね。撮影中は天候にも恵まれていました。海の水でカメラが壊れるというハプニングもあったんですが(笑)。

──本作を男性目線で見たときの率直な感想を教えてください。

中野:やっぱり「恋愛っていいな」という感想に尽きますね。
 意外と男性の方が、女性よりもロマンチストだったりすると思うんです。モギさんの恋に恋する感情にも、思わず共感してしまいますし、実際に映画を見た方にもそんな温かい感情を持ち帰って欲しいですね。

『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』
(C)“Mamadame” production committee 

──もしも続編ができるとしたら、どんな2人を演じてみたいですか?

中野:うーん、リンちゃんとモギさんの「夫婦漫才感」を今よりさらに突き詰めたいですね(笑)。実際に結婚して娘が産まれて、親になった2人ですから、そうした2人の新しいストーリーも見てみたい。まだ自分が結婚したり親になったりする感覚が分からないので、そんな次のステージのモギさんを演じられたら面白そうですね。

中野裕太
中野裕太
なかの・ゆうた

1985年10月9日生まれ。『仮面ライダーキバ』(08年)で俳優デビュー。映画『ツレがうつになりまして。』(11年)、『遠くでずっとそばにいる』(13年)、『新宿スワン』(15年)、ドラマ『ウロボロス~この愛こそ、正義。』(15年)などに出演。12年秋には舞台『レンタル彼女』で舞台初主演。