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『なくもんか』 阿部サダヲ インタビュー

映画『なくもんか』阿部サダヲ インタビュー

 

ハムカツを「美味しそう!」と思ってもらえれば成功

  • まったくのオリジナル作品ながらも興行収入20億円を超えるヒット作となった『舞妓Haaaan!!!』(07)。脚本を、希代のヒットメーカー・宮藤官九郎が手がけ、名脇役としてひっぱりだこの個性派俳優・阿部サダヲが長編映画初主演、「笑い」にこだわる水田伸生が監督をつとめた、奇想天外な傑作エンターテインメントだ。──あれから2年。宮藤・阿部・水田の3人が再結集して完成させた『なくもんか』が、11月14日から全国公開される。

    『舞妓〜』の続編は撮りたくなかったという監督が、今回掲げたテーマは“家族”。実はこれは、宮藤にとっては初挑戦となるテーマでもある。人情味あふれる商店街を舞台に、幼くして親に捨てられた主人公が、生き別れの弟と再会し、新たな絆を育んでいく様子を綴った、笑いあり涙ありの作品だ。ハムカツが名物の人気総菜店「デリカの山ちゃん」を切り盛りする主人公・祐太を阿部が、その弟で、ちょっとスカした人気お笑い芸人・祐介を瑛太が、主人公と結婚する元超デブ・徹子を竹内結子が演じている。

    驚くほどにお人好しの主人公を、絶妙な演技で演じた阿部に話を聞いた。
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  • ──『舞妓〜』公開の直後から今回の企画が動き始めていたそうですが、初めて台本を読んだときの感想は?
  • 阿部:『舞妓〜』チームでやるとは聞いていたのですが、台本を読んで、前回とはまったく違うな、と。宮藤さんが書くものはいつも面白いのですが、今回は、いつもとは違う面白さを感じました。
     それから、祐太役を演じるのは、すごく難しそうだなとも思いましたね。
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  • ──監督によると、前作はテンションを上げるように演出し、今回は抑えたということですが。
  • 阿部:そうですね。今回はテンションが高くなってしまうところを、監督に抑えてもらいました。ただ、『なくもんか』というタイトルだから、あまり泣いちゃいけないのかと思っていたら、監督が「ウォンウォン泣いちゃいましょう」って(笑)。でも、締めるところは完全に締める、前回よりも振り幅が大きい役でした。
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  • ──演じてみて、前作と本作ではどこが一番違いましたか?
  • 阿部:受け身のところですね。『舞妓〜』はこちらが一方的に話す感じでしたが、今回は(義母役の)いしだあゆみさんのボケに乗っかったりしなければいけないところが、まったく違ったかな。
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  • ──水田監督と再タッグを組んだ感想は?
  • 阿部:水田監督は、次にどんなものを撮るかまったく分からないところがありますよね。初監督映画『花田少年史』(06)と『舞妓〜』は全然違うし、その後に撮った『252 生存者あり』(08)もまったく違う。根本では人間や家族の絆、笑いを愛している方だと思いますが、映画的には一辺倒ではない。つかみどころがないというか、未だに分からないところがあって、そこが好きなんです(笑)。
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  • ──宮藤さんとは「大人計画」でも一緒ですが、今回、一緒に組んだ感想は?
  • 阿部:宮藤さんは、演出家のときのほうが身近なんです。今回は脚本で、信頼しているからだと思いますが、水田監督に投げっぱなしで(笑)。現場にも多分1回くらいしか来てないんじゃないかな。僕は結構、宮藤さんの身近にいるほうだと思うんですけど、プライベートでのつき合いはほとんどないし、今でもよく分からないです。
     今回、監督は、僕と(弟役の)瑛太くん、(妻役の)竹内結子さんの3人の化学反応を見たいと仰っていたんですけど、その前にすでに、水田監督と宮藤さんの間で反応が起こっているのが面白かったですね。
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  • ──監督によると、今回は「家族」をテーマにしているので、メインキャストには雰囲気の似た人を起用したということですが、瑛太さん、竹内さん、いしださんと共演した感想は?
  • 阿部:竹内さん、いしださんとは初めてなんですけど、空気がラクだった気がします。みんな自由に過ごしているというか、ストレスがない感じで。
     お芝居していないときもみんな自由で、竹内さんはフラっと買い物に行っちゃったり、いしださんはセットからまったく動かなかったり。スタッフの方がセットの外にイスを用意してくれているんですけど、ずっとセットの中にいらっしゃるんです(笑)。僕は、フラフラしたりセットを眺めたりするのが好きなんですけど、瑛太くんもそういうタイプ。
     それから、商店街のセットがすごくよくできていて、本屋さんもあるんですよ。なので、竹内さんはよくそこで立ち読みしたりしていましたね。
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  • ──八方美人の役で、劇中ではストレスを感じているという描写もありますが、ご自身はストレスがたまりやすいタイプ?
  • 阿部:ストレスがたまりづらいというか(笑)、自由にやって無理しないようにしています。家にいるときは本当に何もせず、ボーっとしていて、それがいいのかもしれませんね。
     ただ、緊張してもストレスは感じないタイプなんですよ。逆に緊張感が心地よかったりするので、たまに緊張しないとダメなくらいです(笑)。
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  • ──劇中ではいつもハムカツに囲まれていますが、撮影中、嫌気がさしたりはしませんでしたか?
  • 阿部:相当食べましたが、それはありませんでしたね。
     いつもハムカツを食べているので肌がツヤツヤしているという設定になっていて、撮影中は肌がツルツルして見えるように顔にシアバター(保湿クリーム)を塗っていました。腕にも必ずオイルを塗っていたし。だから、肌の調子がすごく良かったですね(笑)。
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  • ──見ていて無性にハムカツが食べたくなってしまいました。
  • 阿部:ハムカツが重要なアイテムとなる映画なので、「美味しそう!」と思ってもらえれば成功かな、と(笑)。感情移入できる映画でもあるので、後でいろいろなことを考えてもらえれば、とも思っています。
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(09/11/11)

映画『なくもんか』阿部サダヲ インタビュー

あべ・さだを
1970年生まれ、千葉県出身。92年より「大人計画」に参加。07年『舞妓Haaaan!!!』で映画初主演、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。主な出演作は『木更津キャッツアイ』シリーズ、『パコと魔法の絵本』(08)『ぼくとママの黄色い自転車』(09)など。

 

映画『なくもんか』阿部サダヲ インタビュー

映画『なくもんか』阿部サダヲ インタビュー

映画『なくもんか』阿部サダヲ インタビュー

撮影中の様子。左から阿部サダヲ、水田伸生監督、瑛太

映画『なくもんか』阿部サダヲ インタビュー

商店街のセットにて。宮藤官九郎(中央左)と水田伸生監督(中央右)

 

 

 

映画『なくもんか』阿部サダヲ インタビュー 

 『なくもんか』
2009年11月14日より全国東宝系にて公開

(C) 2009 「なくもんか」製作委員会
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