映画館復活の起爆剤となるか? ノーラン監督最新作『テネット』全米公開日が決定

#映画#興行トレンド

クリストラー・ノーラン監督
クリストラー・ノーラン監督

6月13日、ワーナー・ブラザースは、クリストファー・ノーラン監督の新作『TENET テネット』の公開日を7月17日から7月31日に変更すると発表。合わせて、7月17日にはノーラン監督の旧作『インセプション』を10周年記念として公開すること、『ワンダーウーマン1984』の公開日を8月14日から10月2日に変更すると発表した。

コロナ禍で米シネコン最大手が22億ドルの損失

新型コロナウィルスの感染拡大の影響で映画館が休業、新作の公開が中断後、最初に公開されるハリウッドメジャーの新作になるはずだった『TENET テネット』。2週間公開がずれることで、7月24日公開『ムーラン』が最初のメジャー新作となる。

実は5月下旬に『テネット』の新たな予告編がお披露目された際、公開日の表記がなくなり「COMING TO THEATERS」と変わっていたことから、「公開日を延期するのではないか」と憶測が出ていた。

ノーラン監督は、映画館での鑑賞体験の熱心な支持者として知られ、『テネット』が観客を映画館に呼び込む起爆剤になることを願っているといわれる。2週間ずらすことで新型コロナの感染拡大が落ち着き、より多くの映画館の再開を期待してのことだろう。

またワーナーでは『ワンダーウーマン1984』の公開を8月からずらすことで、自社作品同士で観客を奪い合うことを避け、『TENET テネット』の集客に万全を期す狙いもあるだろう。

さらにノーラン作品は7月中下旬に公開されることが多く、7月公開にこだわった側面もありそうだ。

【過去のノーラン作品公開日】
『バットマン ビギンズ』(05年6月15日公開)
『ダークナイト』(08年7月18日公開)
『インセプション』(10年7月16日公開)
『ダークナイト ライジング』(12年7月20日公開)
『インターステラー』(14年11月5日公開)
『ダンケルク』(17年7月17日公開)

アメリカでは、新型コロナの感染拡大の第2波リスクが浮上している。『ムーラン』『テネット』が予定通り公開されるか、予断を許さない状況だ。(文:相良智弘/フリーライター)