時代は“マッチングアプリ”から“マッチングラジオ”へ？面白連鎖広がる「さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ」

緊急事態宣言が解除され、また憂うつな通勤が始まった…という人も多いのではないだろうか。

通勤は憂うつですよ。知らない人が大勢いる箱（＝電車）に運ばれて、また知らない人が大勢いる箱（＝会社）に行くんだから。知らない人ストレスは多分にあるはず。

筆者も復活通勤憂うつ派の一人なのだが、通勤時はラジオを聞いてなんとか気分をごまかしている。最近はTBSラジオが「ラジオクラウド」という聞き放題アプリを配信してくれているので、とりあえず「通勤のおかげでまたラジオを聞く時間ができた」と自分を奮い立たせて緊急事態宣言解除後の世界をなんとか生きている。そんな中でも、最近とくに気に入っているのがさらば青春の光のラジオだ。

・青春映画の金字塔が作40年ぶりに上映／映画『さらば青春の光 デジタルリマスター版』予告編

漫才チャンピオンを決める「M-1グランプリ」、コントチャンピオンを決める「キングオブコント」の両方で決勝進出している実力派コンビ・さらば青春の光が、ラジオキー局で冠番組を持ったのは意外にも今年に入ってから。

その名も「さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ」（TBSラジオ）。なんのこっちゃというタイトルだが、ファンから公募したもので、よーく見ると“TBS”の文字が入っている。

略して“タダバカ”は、今年1〜3月のスタート時は土曜の夕方放送で、芸人ラジオにはめずらしい夕方の喋り方を模索する、正直言ってフワフワした内容だった。下ネタやスキャンダルネタの多いさらばに加え、スタッフには（神田松之丞改め）神田伯山や、空気階段のラジオにも出てきた風俗好きのTBSラジオ社員・シバタさんがいるというのに、なぜか下世話な内容はほぼナシで、さらばの本領はあまり発揮できていなかった気がする。

ようやく4月から、土曜深夜にお引越しした“タダバカ”。森田哲矢が、出会った女性とヤれたとかヤれなかったとか話しだしたときは、死ぬほどしょうもない内容なのに意味もなく安心した。なぜ夕方にこのコンビをキャスティングしていたのか、TBSラジオの挑戦ぶりに感心しつつ、やはりさらばは深夜で輝く人たちなのだと思わされた。

そんな深夜版“タダバカ”で最も好評を得るコーナーがある。「東ブクロの嫁決定戦」だ。東ブクロと結婚したい！という女性リスナーが毎回2名、電話で登場し、東ブクロに関するクイズに正解したほうが勝者となるルール。3回勝ち抜けば実際に東ブクロと結婚できる（？）という少し懐かしい香りのするコーナーだ。

第1回「東ブクロの嫁決定戦」の放送（4/11本放送#2）では、声がかわいすぎる川口春奈似の美女リスナー・坂口ケンタウロスと、東ブクロの嫁ではなくセフレになりたい謎のリスナー・白くまきなこが対決した。

結果はセフレになりたい白くまきなこが勝利したのだが、“声がかわいすぎる”“川口春奈似”に反応した男性リスナーが「坂口ケンタウロスの旦那になりたい！」と何人も名乗りを上げ、なぜか東ブクロとは関係のない「坂口ケンタウロスの旦那決定戦」（4/25おまけ放送#4）が繰り広げられた。

さらば青春の光とはまったく関係のない内容なのに、無駄に爆笑してしまうバトルとなった。さらに、なかなか人と会えなくなったこのご時世に、ラジオで出会う“マッチングラジオ”という新たな概念まで生み出したのだ。

夕方放送のだらだら時代からは想像できなかった謎の面白連鎖が生まれている“タダバカ”。もしかしたら今後本当にカップルが生まれてしまうのかもしれないのだから、通勤時間の憂うつをワクワクに変えてこれからも聞かざるを得ないだろう。
（文：川崎るぽ）

「さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ」は毎週土曜深夜3:00-3:30に放送中。また、TBSラジオクラウドでこれまで放送された全編が配信中。2020年5月現在、#8なのでまだ追いつける！

ラジオクラウドは下記よりダウンロード可能。
App Store／https://apple.co/3ddD1vG
Google Play／https://bit.ly/2XIXlii