『アントマン&ワスプ』に採用された日本人クリエイターのアイデアとは?

#アントマン

(C) 2018 MARVEL
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『アントマン』(15年)の続編で、頼りなさすぎるアントマンと、完璧すぎるワスプの活躍を描いた『アントマン&ワスプ』。ロサンゼルスを拠点にフリーランサーのエフェクトアーティストとして活躍し、この映画にもスタッフとして参加している日本人クリエイターの渡辺潤が、本作制作の舞台裏を語った。

[動画]メイキング映像や未公開シーン込み!『アントマン&ワスプ』MovieNEX予告編

渡辺はこれまでにも、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』や『ジュラシック・ワールド/炎の王国』など、数多くのハリウッド映画に参加してきた。今回『アントマン&ワスプ』で担当したのは、マイケル・ダグラス演じるハンク・ピム博士が、超小型ポッドに乗り込んで、28年前に「粒子の世界」で行方不明になった妻を捜索するシーンの一部。1〜2秒ほどのショットだが、カビのような微生物や虹のように輝くプリズム、猛スピードで動く粒子が、ポッドに屈折・反射するという非常に複雑なエフェクトが施されている。

このシーンで、本シリーズの見どころである“巨大感”が前作に比べて足りないと感じた渡辺は、より巨大感を際立たせるために背景を大幅に拡大したたデモ映像を制作。視覚効果のスーパーバイザーに披露し、アイデアを売り込んだところ、見事採用!「こうした提案は却下されることも多いので(笑)。今回アイデアが採用されて、とてもうれしいですね」と喜びもひとしおだったという。

こうした試行錯誤の末、完成した映像だが、スクリーンに映し出されるのはわずか1〜2秒。渡辺も「お客さんがポップコーンを手にする瞬間、終わってしまうほど短いですよね」と笑う。とは言え、その瞬間のために、時には100人のスタッフが関わることもあるそうで、「例えばフランス料理のコースでも、一皿を1人で作るわけじゃなくて、それぞれの丹精を込めた品が一皿に入っているんですよね。食べた時にどれかが強くてもダメで、バランスが大事。そう考えると、エフェクトアーティストの仕事は、料理の仕上げ。カレーライスにちょっとの塩を加えることで、味を引き立てているのと同じなんです」と役割の重要性を強調する。

完成した作品に関しては「とても楽しめた」と振り返る渡辺。そんな渡辺は、映画を見ることはもちろんだが「エフェクトアーティストならば、日頃から観察力を磨き、インプットをより増やすことが必要」と話す。「私も焼き鳥屋で飲んでいれば、ビールの泡や、ダクトに吸い込まれる煙をずっと見ています(笑)。その上で、私たちは映画作りで最も大切なストーリーテリングを意識しなければいけない。エフェクトアーティストは、ある種のパフォーマーであり表現者なんです」と目を輝かせていた。

『アントマン&ワスプ』は12月19日より先行デジタル配信開始! 2019年1月9日にMovieNEX(4200円+税)、4K UHD MovieNEX(8000円+税)、4K UHD MovieNEX プレミアムBOX(1万円+税)が発売となる。

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