9月の最大ヒットは巨大ザメのパニック映画! 2位は一転、あのキュートな…

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『MEG ザ・モンスター』
(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.
『MEG ザ・モンスター』
(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.

9月公開作の1位は『MEG ザ・モンスター』。全長23メートル、体重20トンの超巨大ザメ「メガロドン」と人間の死闘を描くパニック映画だ。

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主演ジェイソン・ステイサムの人気で集客したというより、「サメのパニック映画」という内容の分かりやすさや、アトラクション感覚でハラハラできる期待感が観客にアピールしたのだろう。配給元ワーナー・ブラザーズでは「この夏は、MEG ザ・ライド!」という宣伝コピーを使い、4Dでの上映をアピールする幕間映像(シネコンで本編の上映前に流れる映像)を作成。その効果もあってか、4D上映の集客率が良いという。また8月下旬に行われた公開直前記念イベントにはお笑いコンビ「FUJIWARA」の藤本敏史と原西孝幸、タレントの鈴木奈々が出席してPRに務めた。

2位は『プーと大人になった僕』。『マレフィセント』(14年)の大ヒット以降、ディズニーでは人気キャラクターの実写映画化路線を進めているが、本作もその1本。映画関係者期待通りのヒットとなった。原題は主人公の名前を付けた『Christopher Robin(クリストファー・ロビン)』だが、日本では人気キャラ、プーの名前を入れた『プーと大人になった僕』。このタイトルがファミリー客やディズニー好きの女性ファンに訴求したようだ。

主人公を演じるユアン・マクレガーの声を堺雅人が担当。8月下旬に行われた吹替版完成披露試写会に出席した。また初来日を果たしたユアン・マクレガーが出席した9月5日のジャパンプレミアにも堺は参加。人気俳優のPRも動員を後押しした。

3位は『ザ・プレデター』。8月初旬に行われたキックオフイベントに元女子サッカー選手でタレントの丸山桂里奈が出席したり、9月中旬に大阪で行われたイベントに芸人のほんこん、お笑いコンビ「霜降り明星」のせいやと粗品、「スパイク」の小川暖奈が出席して話題作りに務めた。公開翌週の9月21日には日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」でシリーズ3作目『プレデターズ』が放送されたことも動員増に一役買った。

なお、8月31日から公開された『アントマン&ワスプ』は11.9億円をあげ、前作(12.1億円)に並ぶヒットとなった。(文:相良智弘/フリーライター)

[9月公開作ランキング]
1位『MEG ザ・モンスター』11.3億円
2位『プーと大人になった僕』10.7億円
3位『ザ・プレデター』4.6億円
(9月23日時点。ムビコレ調べ)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。