『トガニ 幼き瞳の告発』コン・ユ インタビュー

衝撃の問題作で新境地を開拓したイケメン韓流スター

#コン・ユ

本作では、今までと違ったキャラクターを見せることができると思いました

幼く弱い子どもたちを虐待する教師たち──聴覚障害者学校に赴任した主人公が知ったおぞましい出来事。子どもたちを守るために闘う主人公と理不尽な現実を描いたのが、韓国発の衝撃作『トガニ 幼き瞳の告発』だ。

本作は韓国で460万人以上を動員。描かれた物語が事実だということを知った観客たちが政府を動かし、「トガニ法」という新しい法律を生み、問題を起こした学校を廃校へと追い込んだ。

主演のコン・ユは、明るく爽やかな役柄を多く演じてきたイケメン韓流スターだが、この映画への出演により新境地を開拓。本作の映画化を熱望し、自らアプローチしたという彼に、映画について語ってもらった。

──主人公カン・イノの人物像を教えてください。

コン・ユ:大学時代の恩師の紹介で、聴覚障害者学校に新しく赴任してきた美術教師で、信じられない事件を目の当たりにして解決しようと奮闘します。よくあるヒーロー的なキャラクターではなく、身近にいるような小市民です。

──本作で新境地を開拓しましたね。

コン・ユ:本作では、今までと違ったキャラクターを見せることができると思いました。(自分が)変わらなければと考える余裕もなく必死に作品に取り組み、撮影中はカン・イノになりきって過ごしました。

この世の中にどれだけ切ない出来事が起きているのかを振り返るきっかけになれば
コン・ユ(左)

──本作は、ネットで話題となり、さらに出版されて大反響を呼んだ小説を映画化した作品です。あなた自身が映画化のために動くほど惚れ込んだ小説ですが、いつ小説を読んだのですか?

コン・ユ:兵役中に進級記念として指揮官から小説をプレゼントされました。あっという間に読み終え、私たちが住んでいる世の中でこんな事件があったことを初めて知りました。心が混乱し心臓もドクドクしました。その後、原作者のコン・ジョンさんにアプローチしたところからスタートした映画なので、私にとっては特別な作品です。

──手話を使った演技の感想は?

コン・ユ:撮影の2、3ヵ月前から、子役俳優たちといっしょに手話を習いました。劇中では主に手話を通訳する役目なのでたくさん使ったわけではありません。手話イコール障害者と関連づける人も多いのですが、習ってみると、ひとつの言語にすぎないということを感じました。習うときは、新しいことにチャレンジするワクワク感があり楽しかったですね。

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──この映画に出演した感想は?

コン・ユ:小説を読んで、忙しさを言い訳に、(こういった事実から)耳を塞ぎ目を閉じて暮らしてきたと感じました。(みなさんにとっても)一度、周囲を見回して、この世の中にどれだけ切ない出来事が起きているのかを振り返るきっかけになればと思います。こんなに胸が痛む事件があったことを観客のみなさんが知り、何か感じてくれればと想いながら撮影していました。

コン・ユ
コン・ユ
こん・ゆ

1979年7月10日生まれ、韓国の釜山出身。ドラマ『コーヒープリンス1号店』(07年)で人気を集める。映画『あなたの初恋探します』(10年)にも出演。兵役中に小説「トガニ」を読み映画化を熱望、自ら働きかけて映画化したという。

コン・ユ
トガニ 幼き瞳の告発
2012年8月4日よりシネマライズほかにて全国公開
[監督]ファン・ドンヒョク
[出演]コン・ユ、チョン・ユミ
[DATA]2011年/韓国/CJエンタテインメント/125分
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