海外ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』インタビュー(ジム・マッケンジー、ショーン・パートウィー、コリー・マイケル・スミス、ロビン・ロード・テイラー)

「バットマン」前日譚に注目、話題のキャストが本格的クライムアクションの魅力を語る

#コリー・マイケル・スミス#ショーン・パートウィー#ベン・マッケンジー#ロビン・ロード・テイラー

両親から、何が正しくて正しくないか、ルールや礼儀を学びました(ジム)

“バットマン”ことブルース・ウェインの協力者で、のちにゴッサム市警の本部長となるジェームズ・ゴードンの若き刑事時代のゴッサム・シティを描く、「バットマン」前日譚となる海外ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』。

7月22日からDVDレンタルが始まるが、そのプロモーションのため、誰も見たことのないゴッサム・シティで繰り広げられるクライム・アクションを盛り上げるキャストたちが6月に一挙来日。『The O.C.』のライアン役でも知られ、本作で主役ゴードン刑事に扮するジム・マッケンジーや、アルフレッド執事役のショーン・パートウィー、のちにヴィラン(敵)のリドラーとなるエドワード役のコリー・マイケル・スミス、こちらも人気ヴィランの“ペンギン”に扮したロビン・ロード・テイラーを直撃した。

──まずは主役のジェームズ・ゴードン刑事を演じるジム・マッケンジーさんにお聞きします。役作りで気を配っていることは?

ジム・マッケンジー:過去にいろんなバージョンがありますが、本作でユニークだと感じるのは、彼が戦争で戦ってきた帰還兵だということが強く出ている点です。外で戦っていた人が、今度は故郷であるゴッサムで戦う。社会の腐敗や人々の欲望、社会的なものへ戦いを挑んでいるのがゴードン刑事だと思いますね。

『GOTHAM/ゴッサム』では新米刑事を演じたベン・マッケンジー

──ゴードン刑事は正義感の強い人です。ゴードンの亡くなった父親は検事長でした。ジムさんのお父様は弁護士だとか。ご両親から正義について学んだことを教えてください。

ジム・マッケンジー:僕には弟が2人いて、5人家族なんですが、夕食を囲むときに両親から、その日に自分が感じたことや、なぜそう感じたのかなどを弟たちと3人で議論し合うよう促されていました。そして、そういったことを通じて世の中のルールについて学びました。

キャストが発表されたときには、ミスキャストだと騒がれました(ロビン)
ロビン・ロード・テイラー

──バッドマンの世界にはいろいろなキャラクターが登場します。その中でもペンギンはヴィラン(敵)としてアイコン的な存在です。ロビン・ロード・テイラーさん、オズワルド・“ペンギン”・コブルポット役に決まったときのお気持ちは?

ロビン・ロード・テイラー:感情が入り乱れるなんとも言えない気持ちでした。プロデューサーたちにL.A.に呼び戻されて、オーディションをもう1度受け直したんです。その後、6日間返事を待ちながらL.A.に滞在していました。決まったよと返事をもらったときには、叫び声をあげて泣いてしまいました。こんなに注目を集めるような大きな企画に参加するのは初めてですし、何年も頑張ってやってきたことが、ようやく実ったという気持ちでいっぱいです。いまでも撮影現場に向かう朝、窓を開けて外を見て迎えのバンが来ているのを見るたびに、感慨深いですし、こうした気持ちは今後もずっと消えないと思います。

『GOTHAM/ゴッサム』

──実際に、全米で放送されたときの反響を教えてください。

ロビン・ロード・テイラー:撮影前にキャストが発表されたときは、ミスキャストだという声がほとんどでした。痩せているし背が高いし、いまいち醜くないと(笑)。普段だったら褒め言葉になりますが、ペンギンを演じることにおいては褒め言葉になりません。こいつはバッドマンの世界を台無しにするというコメントまでありました。でも、初回放送がされてからはそういったネガティブなコメントはなくなりましたね。みなさん楽しんで観ていただいているようです。これからは大丈夫だなと安心しました。

──過去作でペンギンを演じられた俳優さんの芝居は参考にしていますか?

ロビン・ロード・テイラー:バージェス・メレディスがペンギンを演じた60年代のテレビシリーズが、子どもの頃にほとんど毎日再放送されていました。それからダニー・デヴィートが演じた劇場版の『バッドマン・リターンズ』もずっと再放送されていました。これらは数えきれないくらい見ているので、バージェス・メレディスとダニー・デヴィートのペンギンは脳裏にこびりついていますね。もちろん本作のアプローチは過去のものと違いますが、おふたりの演技で参考にしている部分をあげるなら、ちょっといっちゃっているけれど、とにかく楽しそうだということ。ダークで陰惨になりそうなキャラクターですが、そこに軽さを持たせるようにしています。。

エドワードの変化を見せたい(コリー)、ブルースとの関係に注目してほしい(ショーン)
──コリー・マイケル・スミスさんの演じるエドワード・ニグマは後にリドラーとしてヴィランになる役柄ですね。
コリー・マイケル・スミス(左)とショーン・パートウィー(右)

コリー・マイケル・スミス:そうですね。善だったかもしれない人間が、いかに悪に傾倒していったのか。これはいままでこの役を演じた方には与えられなかった部分です。僕はエドワードを人間として見せることができる。ポジティブで善意を持った状態が少しずつ変化していく。みんなが好きなリドラーは、大人で悪人として人を苦しめることに熱意と喜びを感じている人物ですが、その熱意と喜びが、今の段階では仕事や、知性を人と分かち合うことに向いています。なぞなぞを出すことだったりね(笑)。それがだんだん知性を分かち合ってくれない相手を苦しめる喜びへと変わり、闇へと引きずりこまれていく。まるでバースデーケーキの炎のろうそくがひとつずつ消えていくようにね。シーズン1でもその片鱗は見受けられますよ。僕としては、その変化を何シーズンにもわたって演じていければいいと思っています(笑)。

──一方、ショーン・パートウィーさんは後にバッドマンとなるブルース・ウェインを支える執事アルフレッド・ペニーワース役です。本作でのブルース・ウェインはまだ子どもですが、アルフレッドはどのようにブルースを育てたいと考えていると思いますか?

ショーン・パートウィー:アルフレッドはもともと実生活で父親になろうとすら思ったことのない人物で、親としてのスキルはゼロでした。けれどエピソードが進んでいくと、彼が死生観を見つめなければならない瞬間が訪れます。そのとき、ブルースとの関係が変わるんです。そこから、自分がただ雇われている執事ではなく、父親代わりなんだと自覚する。ブルースもアルフレッドから学びますが、同時にアルフレッドもブルースから学んで成長していく。ふたりはそうした関係だと思いますよ。

──最後にふたたび、ベン・マッケンジーさん。あなたはドラマ『The OC』のライアン役で日本でもかねてより人気が高いです。今回のゴードン役ではどんなところに期待して欲しいですか?

ベン・マッケンジー:『The OC』からのファンの方には、ライアンと今回のゴードンにちょっと似ている部分があると感じてもらえるかもしれません。ふたりとも正義感が強いですから。ただ、背景となっている世界もジャンルもまるで違います(笑)。だからライアンの要素もちょっと垣間見つつ、今回のゴッサムの世界を十分に楽しんでもらえたらと思います。ご覧のように、いろんなキャラクターも出てきますしね(笑)。

『GOTHAM/ゴッサム』インフォメーション
●レンタル
7月22日レンタルDVD Vol.1〜4(各巻2話収録)/デジタルレンタル順次配信開始
8月12日レンタルDVD Vol.5〜8(各巻2話収録)
9月9日レンタルDVD Vol.9〜11(各巻2話収録)
9月9日ブルーレイ&DVD発売

●セル
「『GOTHAM/ゴッサム』 <ファースト・シーズン> コンプリート・ボックス」
・ブルーレイ(4枚組)¥16,200/税別
・DVD(11枚組)¥14,300/税別
発売・販売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

●放送
AXNにて
・HD 二ヶ国語版:毎週月曜22:00〜他
・HD 字幕版:毎週木曜23:55〜他

(text&photo:望月ふみ)

コリー・マイケル・スミス
コリー・マイケル・スミス
Cory Michael Smith

1986年生まれ。2013年、エミリア・クラークと共演の『ティファニーで朝食を』でブロードウェイ・デビューを飾り、以降も舞台を中心に活躍中。

ショーン・パートウィー
ショーン・パートウィー
Sean Pertwee

1964年、ロンドン生まれ。俳優一家の出身。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで演技を学んだ。数多くの映画やテレビに出演しており、声優としての実力も高い。

ベン・マッケンジー
ベン・マッケンジー
Benjamin McKenzie

1978年9月12日生まれ。父は弁護士で母は詩人、叔父は脚本家。バージニア大学卒業後、俳優を志しニューヨークへ移住。TVドラマ『The O.C.』シリーズのライアン役でブレイクした。その他、映画出演作にアル・パチーノと共演の『88ミニッツ』など。

ロビン・ロード・テイラー
ロビン・ロード・テイラー
Robin Lord Taylor

1978年生まれ。『ウォーキング・デッド』『グッド・ワイフ』といった多くの人気テレビシリーズに出演している。