アップリンク渋谷が閉館。コロナ禍で設備再投資困難

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アップリンク 渋谷

インデペンデント系の象徴がまたひとつ

再び緊急事態宣言発令もあり、映画館が苦境に立たされている。それを象徴するように、映画の配給会社としてスタートし、渋谷の映画カルチャーの発信源として活躍、『ミッドナイトスワン』や『JUNK HEAD』など、インデペンデント・スピリットを持った良作を上映し続けてきた「アップリンク渋谷」が5月20日に閉館になることが発表された。

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アップリンクとは、地上基地から衛星へ電波を飛ばすことを指し、×印のロゴは、様々な含みのある未知を意味するX(エックス)で、It Is Designの伊丹友広の手による。

1987年創設の同社は、95年に渋谷区神南にイベントスペース「アップリンク・ファクトリー」をオープン。93年から出版していた隔月のインディペンデント・カルチャー雑誌「骰子」の立体版をコンセプトに、ライブやイベントを開催、映画は16ミリとDVcamで上映を始めた。

04年に現在の宇田川町に移転し、「アップリンク X」 と名付けた小さな映画館としてスタート。以後はカフェやギャラリーを開設、3スクリーン化して「アップリンク渋谷」として「ファクトリー」から数えると26年間、渋谷を拠点に多目的スペースとして活用されてきた。

そんな「アップリンク渋谷」もコロナ禍には勝てず、昨年は助成金や補助金で賄えたが、今年は再投資をしても見合わないと踏んでの閉館となったという。

アップリンク 渋谷

アップリンク渋谷 公式HPより

4月22日に公式HPに公開された発表文には、「設備や機材の老朽化による再投資を考えなければならない時に、コロナ禍に襲われました。収入が途絶えた時、最初に一番の支援となったのは、『アップリンク・クラウド』の見放題パックや『アップリンク・ソフトドリンク付き回数券』を購入してくださった方達のご厚意でした。また『ミニシアターエイド未来券』では多くの方が『アップリンク渋谷』を指定して支援してくださいました。心より感謝いたします」と、ファンへの感謝の言葉が述べられている。

昨年のハラスメント騒動についても言及

また、昨年メディア等で取り上げられた従業員に対する浅井隆社長のハラスメント問題についても言及があった。

「弊社のハラスメントの問題では皆様にご迷惑とご心配をおかけし、信頼を裏切るような形になってしまったこと、申し訳ありませんでした。引き続き、ハラスメントのない会社づくりに向け、社⻑及び従業員一同取り組んでいきます。今後は、現在の拠点である「アップリンク吉祥寺」「アップリンク京都」そして「アップリンク・クラウド」を引き続きよろしくお願いします(浅井隆 アップリンク代表)」

なお、アップリンク会員・未来チケット・ソフトドリンク付き回数券・招待券については吉祥寺や京都での対応が発表されており、会費の払い戻し希望者向けの問い合わせ窓口も5月21日開設予定とのことだ。

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