『ファンタスティック・ビースト』は魔法動物学者ニュートの物語

ハリー・ポッター』シリーズに続くウィザーディング・ワールドの新シリーズとして、日本でも大ヒットを記録した『ファンタスティック・ビースト』。ユニークな魔法動物、パワーアップした魔法バトルシーンと、出演する豪華キャストにワクワクした一方で、『ハリポタ』とどう関係あるの? と疑問に思った方もいるだろう。

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まずは基本からおさらい。『ファンタスティック・ビースト』の主人公は魔法動物学者のニュート・スキャマンダー。「ハリー・ポッター」原作には、ホグワーツ魔法魔術学校でハリーたちが使っていた教科書「幻の動物とその生息地」の著者として登場する。本シリーズの時代設定はハリーが生まれる前の1920年代から1940年代。ちなみに当時を反映したニュートらのクラシックな装いが、こっちの方が魔法界のイメージに合っていて好き! というファンも多い。

主演はオスカー俳優、エディ・レッドメイン

魔法動物を調査する旅の途中でニューヨークを訪れたニュート(エディ・レッドメイン)は、魔法のトランクの中で飼育していた動物たちをマグルの世界に脱走させてしまい……というところから第1作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いへの旅』の物語は始まる。本作でニュートはティナやジェイコブら大切な仲間と出会うとともに、”黒い魔法使い”グリンデルバルド(ジョニー・デップ)との対面を果たす。

そして第2作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』で舞台はパリへ。第1作のラストで捕らえられたグリンデルバルドが移送中に逃亡。ヴォルデモート卿と同じく、史上最強の闇の魔法使いと恐れられた彼は「魔力を持たない人間たちを魔法族が支配」する世界を実現するために手段を選ばず、パリで闇の勢力に加わる仲間を集め始める。ホグワーツでニュートの恩師だったダンブルドア(ジュード・ロウ)が彼の前に現れ「グリンデルバルドを倒せるのは君だけだ」と告げる。

物語のカギを握るのは、ホグワーツの校長に就任する前の、若きアルバス・ダンブルドア。今のところ、『ハリー・ポッター』シリーズと『ファンタスティック・ビースト』に連続で登場する主要なキャラクターは彼1人だけ。原作を読んだファンは思い出してほしいのだが、ダンブルドアとグリンデルバルドは若い頃は友人同士であり、ある事件をきっかけに絶縁。グリンデルバルドに匹敵する力を持ちながら、教え子のニュートを送り込んだのは、彼の複雑な過去が大きく関係しているようなのだ。

J.K.ローリングのオリジナル脚本である『ファンタスティック・ビースト』シリーズは、誰も筋書きを知らないニュートの冒険譚であると同時に、原作でも謎に包まれたダンブルドアの過去を解き明かすという要素も担っている。これまで語られてこなかった新事実を映画の中で明かし、さらにはその後の『ハリー・ポッター』の物語にリンクしていく壮大なストーリーは残り3作、全5作で完結予定。現在、撮影の真っ最中とウワサされる次回作の続報を待ちながら、新たな魔法の世界に浸ってみてほしい。(文:Sara Suzuki/London)

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