コロナ時代に「映画上映そのもの」を考える。映像アートの祭典が開催

#イメージフォーラム#ダゲレオ#映画#芸術

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「イメージフォーラム・フェスティバル2020」メインビジュアル
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大林宣彦
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メトロポリス
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巣ごもり時代に家庭で大画面を共有する機会が増えた方も多いと思う。そんな中、映画を見ることの意義を正面から問う映画祭が開催される。34回目を迎える「イメージフォーラム・フェスティバル」がそれ。この映画祭は、毎回世界中から先鋭的ないし実験的な映像作品を集め、アート系映画の最新動向を教えてくれるが、今年も興味深い企画とタイトルが並ぶ。

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かくして今年のテーマは「上映するという行為」。感染症対策として映画館での上映が休止され、いまなお制限されている現状に鑑みると、そもそも映画館に集まって映画を見ることにどんな意義があるのかを改めて考えるのはとても有意義だ。

映画とは本来パーソナルなものであるのに、なぜ映画館という公共施設で他者と時間と場所を共有しなければならないのか(しゃべったり顔を見合わせたりすることもなしに!)。

また、映画作品の配給は、フィルム媒体という複製可能な芸術として発展してきたが、テープやディスク等を通じて家庭で楽しめる時代を経て、いまやその媒体すらないNetflixなどのストリーミングによる家庭への“配信”が主流となってきた。

誰もが、いつでもどこでも好きな時間に、YouTubeなどと同じ映像コンテンツの一つとして手許のタブレットで見ることすら可能な時代にあって、時間芸術である映画を上映することの意味は何処にあるのか。直視型ディスプレイではなく、スクリーンへの反射映像である意味はどこにあるのか。これら通常あまり疑問に思うこともなかったテーマに気づくことで、映画の本質が改めて浮き彫りになるだろう。(文:fy7d)

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[主要テーマ等]
●特集「オン・スクリーン上映について」
「スクリーニング・コレクティブ新世代」として、これまで日本で上映される機会のなかった作品を数多く紹介するとともに、「アクティビズムとしての上映活動」をテーマとしたシンポジウムも開催される。

●特集「オンスクリーン:LIVE」
映画は時間芸術であるがゆえに上映という行為は一回性のもの、ということを浮き彫りにする”上映パフォーマンス“が行われる。フリッツ・ラングの無声映画『METROPOLIS』に、かつてジョルジオ・モロダーがシンセサウンドを付けた映画があったが、今回はライブでの音楽演奏を乗せる「『メトロポリス』金字塔」などが並ぶ。

●その他:大林宣彦や寺山修司らの60年代、70年代の貴重な日本実験映画が上映されるほか、東アジア地域を対象に公募した中から入賞作品を選ぶ「東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション」など。

[日程]
9月26日〜10月2日 シアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区渋谷2-10-2)
10月2日〜4日 スパイラルホール(東京都港区南青山5-6-23)
11月21日(土)〜23日 愛知芸術文化センター(愛知県名古屋市東区東桜1-13-2)

[主催・チケット購入先]シアター・イメージフォーラムのオンラインまたは劇場窓口で9月10日より販売