TWICEだけじゃない! 日本デビュー済みの大物ガールズグループGFRIEND

#GFRIEND#K-POP#TWICE

Kpop GFRIEND Apple
GFRIEND 公式Twitterより
Kpop GFRIEND Apple
GFRIEND 公式HPより

曲を出す度に無条件でヒットする大人気K-POPガールズグループの多くは日本でもデビューを果たしている。少女時代にはじまり、AOA、Apink、TWICEやLOVELYZなどたくさんあれど、よく知っているのはTWICEぐらいという人が多いだろう。

TWICEと同じ頃にデビューし引けを取らない人気を誇り、2016年に日本デビューもしているのに不思議とTWICEほど世間で知られていない筆頭といえば、GFRIEND(ジーフレンド、韓国ではヨジャチング)ではないだろうか。

K-POPガールズグループで活躍する日本人

GFRIENDは紆余曲折あったメンバーが弱小事務所でトレーニングを経て2015年にデビュー。リーダーのソウォンをはじめ少女時代並みの高身長の6人が、黒髪を基本に制服やワンピースを着て颯爽とシンクロしながらのステージを披露する。知名度を上げたのは、「今日から私たちは(Me Gustas Tu)」を雨のライブで披露したステージのYouTube動画だった。何度も何度も転倒しながらも踊り続ける姿に心打たれた人も多い。

ただ、いちばんの魅力はやはり歌だと思う。EDMとラップ中心のK-POPにあって、アコースティック系のサウンドにラップなしという潔さ。日本の80年代風でもあり、南野陽子や渡辺満里奈らの全盛期を支えた岸正之の曲のように流麗な切ないメロディ。歌詞も心密かに思い続けるものが多く、清純派アイドルとして男性ファンを中心に根強い人気を獲得した。ボーカルも伸びのある高音を武器にしたユジュを筆頭にどのメンバーも素晴らしい生歌を披露できる実力持っていることは、ライブBDを見ればすぐにわかる。

そんな彼女たちもデビュー6周年となる今年は、2月3日発売のミニアルバム「回:LABYRINTH」に続き、7月13日には回シリーズの第2話にあたるミニアルバム「回:Song of the Sirens」を発売し、デビュー以来最大のイメージチェンジに挑戦、上々の成功を収めた。

はじめて2つの衣装を使い分けたこの曲は、「自分の考えを表現できる時代だからいっそのこと魔女になろう」という大人への階段をのぼる過程を表現したものだが、単なるダンスミュージックではなく、曲も歌詞もステージもパフォーマンスとしての完成度が高い。それもそのはず、3月末に「回: LABYRINTH」からの2曲目「Crossroads」の活動を終えると、髪を変えるなど直ちにイメチェン。すぐ新しい音源を受け取って、メンバー達はメロディと歌詞を書いたという。

前回「迷宮」に迷い込んだ彼女たちの今回のキーワードは「選択」。光に導かれて迷い込んだ先には楽園があると願いつつ、途中の分かれ道でどちらを選ぶのが正解なのか…….。そして最後に遭遇した真っ赤なApple=「誘惑」に心揺れる少女を描いている。

ジャケ写でも表現されているが、ふたつのものを次々と天秤に掛けていくと、最後に真っ赤なリンゴだけが“一択”として残されている。少女から大人になるにあたり、避けては通れない冒険ということか。

曲の冒頭、爪弾くギターとともに千手観音のような「リンゴの木ダンス」。隊列先頭のシンビは赤いブリーチを掛けていて、真っ赤なリンゴをアイコンで表現する。ぐるっと回る「オルゴールダンス」と呼ばれるポイントダンスは、どちらを選ぶか思い巡らせているのか、はたまた誘惑に落ちていくさまを描いているのか。6人それぞれが10本の指先ひとつひとつをシンクロさせ手招きするさまは、徐々に誘惑に落ちていくことを暗示する。

MVでは、いつもライブでいちばんの泣き虫であるウナが残り真っ赤なリンゴを頬張ると、純白な少女から闇の魔女に変身する。紅の誘惑に少女の心の炎も燃え上がる。サウンドもぐっと重厚に聞こえ、シンセの打音が高鳴る鼓動のように脈打つ。「私の灰色の選択を、赤く染め上げる」「自分の中に星が現れ煌びやかな破滅の光がやってくる」。メインボーカルのユジュが「変えてみせる」と力強く歌えば、赤い髪のシンビが「Call me Call me」と誘う。他のメンバーはハイトーンボイスで少女の素直な心境を切々と語る。悪魔のダンスを踊りながら……。

いまは、選択の時代と言われている。ちょっと前であれば、欲しいものは自分で作ろうとするものだった。もちろん、憧れのいいモノは到底買える代物ではなかったから自作しかなかったという背景もあっただろう。ところが今は、欲しいものは試しに検索し、すでに溢れるほどある中からイメージに近いモノを直感で選ぶ。手っ取り早く安くいいもの手に入れようとしたら、数ある大量生産品のなかからひとつ選ぶのがむしろ普通で、選んで失敗したらメルカリやヤフオクで売ればいい。むしろ自作やオーダーメイドの方がハードルが高い時代となった。

自分の好みにピッタリなものが安く手に入ればうれしいが、たいていはモヤモヤした気分のまま「こっちのほうが良さそう」というものを選択する。いつも選択は灰色、妥協だ。そうした選択を迫る迷路を経る間、どうしても通り過ぎることのできない、選んだらドツボに嵌まるに違いない誘惑に出会うことがある。それが甘い毒リンゴなのか、経験のない少女には分からない。「いままでの自分が崩れていく」ことを自覚しながらも、恐る恐る扉を開いた少女は大人になっていく。少女ではない者からすると、これからの時代は誰にとっても自分の選択が正しいのかはわからないよな、などと共感する。そんな作品だ。(文:fy7d)

[訂正のお知らせ]
本文 第2段落で以下の通り訂正しました。
訂正前:ガールフレンド
訂正後:ジーフレンド

本文 第3段落で以下の通り訂正しました。
訂正前:SUMMER RAIN
訂正後:今日から私たちは(Me Gustas Tu)

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