デンゼル・ワシントン息子ほか、2020年の活躍が期待される若手スター&監督たち

#アナ・デ・アルマス#エリザベス・スカンレン#ジョン・デヴィッド・ワシントン#フローレンス・ピュー#ルパート・グールド#女性監督

『ブラック・クランズマン』のジョン・デヴィッド・ワシントン(右)
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毎年新しい才能が登場する映画界。2020年に要注目な俳優の筆頭にあげたいのはイギリス出身のフローレンス・ピューだ。2019年に『ファイティング・ファミリー』で実在するプロレスラー一家に育ち、自身もレスラーとして活躍する主人公を演じた彼女は今年3本の出演作が日本公開される。

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2月公開の主演作『ミッドサマー』は、『へレディタリー/継承』で鮮烈なデビューを飾ったアリ・アスター監督の第2作。異色のホラー映画で、恋人や友人たちとスウェーデンの田舎の夏至祭を訪れたヒロインを熱演している。3月には名作「若草物語」の映画化『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』で四姉妹の末っ子エイミーを演じ、少女から大人の女性への成長を繊細に演じた。5月にはスカーレット・ヨハンソン主演の『ブラック・ウィドウ』にも出演する。彼女は2代目ブラック・ウィドウになるエレーナ・ベロワを演じる。

1月公開の『ナイブス・アウト/名探偵と刃の館の秘密』のアナ・デ・アルマスも活躍が期待できる。2019年はダニー・ボイル監督の『イエスタデイ』に出演するも本編ではカットされる憂き目にあったが、ライアン・ジョンソン監督(『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』)の『ナイブス・アウト〜』では大物小説家殺人事件の鍵を握る看護師を演じた。4月公開の『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』ではジェームズ・ボンドのアシストをするCIAエージェント、パロマを演じている。

クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』に主演するジョン・デヴィッド・ワシントンも要注目だ。デンゼル・ワシントンの息子で学生時代からアメリカンフットボールの選手として活躍、大学卒業後にプロ選手なり、引退後に俳優へ転身、2018年のスパイク・リー監督の『ブラック・クランズマン』に主演してゴールデン・グローブ賞や映画俳優組合賞などで主演男優賞のノミネートされた。父親とは違う個性で、独自の道を切り開いている。『TENET テネット』でW主演のロバート・パティンソンも、近年は出演作選びのセンスが冴え、俳優としての幅を広げている。Netflixオリジナル映画『キング』ではティモシー・シャラメが演じる若きイギリス王ヘンリー五世と対決するフランス王太子を怪演、ウィレム・デフォーと共演した『The Lighthouse(原題)』も好評だ。

3月公開の『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』で病弱な三女ベスを演じるエリザベス・スカンレンはAmazonで配信中の『シャープ・オブジェクツ』で、エイミー・アダムス演じる主人公の異父妹役で注目されたオーストラリア出身の新人。2020年トム・ホランド主演のサイコ・スリラー『The Devil All the Time(原題)』にも出演する。

監督では、レニー・ゼルウィガーがジュディ・ガーランドを演じ、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞候補になった『ジュディ 虹の彼方に』のルパート・グールドに注目したい。小劇場ながら、レイフ・ファインズなど有名俳優も出演、ブロードウェイに進出する作品を発信し続けるアルメイダ・シアターの芸術監督で、舞台演出家としても活躍するグールドはゼルウィガーから名演を引き出し、各映画賞を賑わせている。演劇界の名匠の映像での活躍に期待したい。『トップガン』の34年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』のジョゼフ・コシンスキー監督は、トム・クルーズとは2013年の『オブリビオン』でも組んでいる。

ハリウッドでは女性監督の台頭も目立つようになってきた。DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)の『ワンダーウーマン』のパティ・ジェンキンス監督の成功を受けて、今年はヒーロー映画2本に女性監督が起用されている。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のフェーズ4のスタートを切るスカーレット・ヨハンソン主演の『ブラック・ウィドウ』のケイト・ショートランド監督は『さよなら、アドルフ』『ベルリン・シンドローム』など人間ドラマからスリラーまで幅広いジャンルを手がけてきた彼女ならではの、ドラマとアクション双方をたっぷり見せる作品が期待できそうだ。

アンジェリーナ・ジョリーがMCUに参戦する『エターナルズ』も女性監督。『ザ・ライダー』が絶賛された中国出身のクロエ・ジャオが不老不死の種族「エターナルズ」の物語をどう演出するかが楽しみ。

マーゴット・ロビー主演の『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』もDCコミック初のアジア系女性監督、キャシー・ヤンを起用。ジャーナリストから映画製作に転身し、長編映画監督デビュー作『Dead Pings(原題)』がサンダンス映画祭で注目され、『ハーレイ・クイン〜』監督に起用された。同作はDCEU初のR指定映画でもあり、制限の少ない環境でどのような作品が仕上がるのか、これも大きな話題を呼んでいる。

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