日本市場で稼ぐ『ハリポタ』&『ファンタビ』

#ファンタビ#興行トレンド

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
11月23日より全国公開
(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.

『ハリー・ポッター』シリーズは日本で根強い人気を誇る。1作目『賢者の石』は興収203億円をあげ、洋画年間興収1位、洋画歴代興収3位を記録。以降、作品ごとに興収を落としてはいくが、年間興収1〜3位をキープした。一方アメリカでは1作目と最終章で年間1位となったものの、年間5位や6位という作品もあり、日本に比べるとやや人気が落ちる。

1作目『賢者の石』日本年間1位/米国年間1位
2作目『秘密の部屋』日本1位/米国4位
3作目『アズカバンの囚人』日本2位/米国6位
4作目『炎のゴブレット』日本1位/米国3位
5作目『不死鳥の騎士団』日本2位/米国5位
6作目『謎のプリンス』日本2位/米国3位
7作目『死の秘宝PART1』日本3位/米国5位
8作目『死の秘宝PART2』日本1位/米国1位

海外で稼ぐ『ミッション・インポッシブル』。特に日本で根強い人気

11年『死の秘宝PART2』でシリーズは終了したが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに14年「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」がオープン。『ハリポタ』人気に再び火がつき、休日は1〜2時間待ちは当たり前の人気スポットになっている。

そんな中、『ハリポタ』の原作者J・K・ローリングが脚本を手掛ける、新たな魔法ファンタジー映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が16年11月23日に日本公開。配給元ワーナー・ブラザースでは日本市場に期待を寄せた宣伝を展開した。公開直前にエディ・レッドメインをはじめとするキャストやデイビッド・イェーツ監督らが来日した際、11月21日にジャパンプレミア、22日にスペシャル・ファン・ナイト、公開初日の23日に映画館で舞台挨拶を実施。昨今、中国を重要視するハリウッド映画が多い中、3日連続での来日イベントは極めて異例のことだ。この効果もあり、興収73.4億円をあげ、17年度の洋画年間興収2位の大ヒットを記録した。一方、米国では年間12位だった。

新作『黒い魔法使いの誕生』の公開を11月23日に控える中、一部の劇場で前作の4D版(2D吹替)を11月9日〜22日、IMAX版(3D字幕)を11月16日〜22日に上映。公開に弾みをつける。また桐谷美玲が公式アンバサダーに就任。ワールドプレミアを現地取材し、レポートをするほか、テレビCMにも登場予定だ。さらに公開直前にはエディ・レッドメインやジュード・ロウらキャストの来日を予定。1作目同様、3日連続での来日イベントを計画している。(文:相良智弘/フリーライター)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

INTERVIEW