ジョン・カーペンター監督『遊星からの物体X』が36年ぶりに蘇る!

#遊星からの物体X

『遊星からの物体X』ポスタービジュアル
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鬼才ジョン・カーペンター監督の傑作SFホラー『遊星からの物体X』。デジタル・リマスター版として36年の時を経て公開されることが決定しているこの映画の1982年当時のオリジナル予告編が到着した。

[動画]ジョン・カーペンター監督の傑作SFホラーが36年ぶりに蘇る!/映画『遊星からの物体X』予告編

1951年に公開された映画『遊星よりの物体X』のリメイクとして発表された本作。だが、大まかなストーリーは、小説家ジョン・W・キャンベルが1938年に発表した短編小説「影が行く」が下敷きになっている。

物語は、南極にあるアメリカ観測隊第4基地に一匹のシベリアンハスキーが迷いこんだことから始まる。実はその犬は、10万年前に地球に墜落して、氷の下で眠っていた宇宙生物が擬態化した姿だった。宇宙生物はグロテスクな「物体」となり襲いかかってきたが、ヘリ操縦士のマクレディ(カート・ラッセル)らの手により火炎放射器で焼かれて撃退される。しかし、調査の結果、「物体」は取り込んだ生物に同化・擬態化してさらに増殖することがわかった。「物体」が基地内の人間に化けている。隔絶された空間で、互いに疑心暗鬼に陥りながら「物体」の恐怖にさらされる隊員たちは、生き残ることができるのか?

「メーデー、メーデー。氷の中に何かを見つけた」という救難信号から幕をあける予告編は、1982年当時にTV放映されたスタンダードサイズ仕様。実際の上映はオリジナルのシネマスコープサイズで行われる。「物体」が入っていた氷の棺、仲間から拳銃を向けられ「騙されるな!」と訴えかける隊員。首に触手を巻かれて襲われる姿など、緊張感のある映像が次々に映し出される。そして、響き渡る絶叫と「人類はもっとも温かい隠れ場所だ」という意味深なコピー。

ちなみに、予告編の後半で一瞬だけ姿を現す「物体」だが、撮影が開始された1981年8月から翌年8月の公開まで、その姿は徹底した情報管理下にあり、撮影現場やポスト・プロダクションの段階でも写真を撮ることさえ禁じられていたという。「物体」の姿を完全に把握していたのは、ジョン・カーペンター、脚本家のビル・ランカスター、そしてロブ・ボッティンら特殊造形チームのみ。そのほかのキャストやスタッフたちにも明かされていなかった。ポスト・プロダクションは公開直前の5月まで続いており、カーペンターが「物体」の造形に深いこだわりをもっていたことがうかがえる。

『遊星からの物体X』デジタル・リマスター版は10月19日より全国公開となる。

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