聖なる場所で起きた娼婦連続殺人事件、平凡な男の心の深淵に潜んでいた狂気とは?

#アリ・アッバシ#ザーラ・アミール・エブラヒミ#映画#聖地には蜘蛛が巣を張る

『聖地には蜘蛛が巣を張る』
(C)Profile Pictures / One Two Films

カンヌ国際映画祭女優賞を受賞した戦慄のクライム・サスペンス

昨年のカンヌ国際映画祭にてザーラ・アミール・エブラヒミが女優賞を受賞した、鬼才アリ・アッバシ監督の最新作『HOLY SPIDER(原題)』。イランで実際に起きた娼婦連続殺人事件から着想を得た衝撃作が、『聖地には蜘蛛が巣を張る』の邦題で、4月14日より順次公開されることが決定した。本作より、日本版ポスタービジュアルを紹介する。

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本作は、イランの聖地マシュハドで2000年から2001年にかけて16人もの犠牲者を出した“スパイダー・キラー事件”に着想を得た戦慄のクライム・サスペンス。邦題『聖地には蜘蛛が巣を張る』は、殺人鬼につけられた“スパイダー”という呼び名と、アッバシ監督が飛行機の上空からマシャハドの街を見た際に、中心部にあるモスクから広がる街並みが、まるで「蜘蛛の巣」のように見えたことから付けられた。

聖地マシュハドで起きた娼婦連続殺人事件。「街を浄化する」という犯行声明のもと殺人を繰り返す“スパイダー・キラー”に街は震撼していたが、一部の市民は犯人を英雄視していた。事件を覆い隠そうとする不穏な圧力のもと、女性ジャーナリスト・ラヒミは危険を顧みずに事件を追う。ある夜、彼女は、家族と暮らす平凡な1人の男の心の深淵に潜んでいた狂気を目撃し、戦慄する――。

監督を務めたのは、第71回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞した『ボーダー 二つの世界』(18年)でスリリングなファンタジーの世界を描き、映画界の注目を一気に集めた北欧の鬼才アリ・アッバシ。本作の構想に15年をかけたアッバシ監督は、「連続殺人鬼の映画を作りたかったわけではない。私が作ろうと思ったのは、連続殺人鬼も同然の社会についての映画だった」と語る。

主人公の女性ジャーナリストを演じたのは、本作で第75回カンヌ国際映画祭女優賞に輝いたザーラ・アミール・エブラヒミ。「彼女の演技は息を呑むほどすばらしい」(20 MINUTES)と評されるなど、鬼気迫る演技で大きな話題となった。

日本版ポスタービジュアルは、オリジナルポスターを踏襲している。色鮮やかで複雑な織りのペルシャ絨毯に描かれているのは、劇中に出てくる“娼婦”をモチーフにしたデザインだ。「それは、一線を越える」というコピーが、人間の深淵にある狂気と恐怖を予感させる。

『聖地には蜘蛛が巣を張る』は、4月14日より全国順次公開される。

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