追悼/日本編 宝田明、島田陽子ら2022年に亡くなった映画俳優を偲ぶ

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ダチョウ倶楽部
ダチョウ倶楽部・上島竜兵(中央)

昭和の時代から日本映画界を支えてきた名優たち。2022年に、惜しまれつつも永遠の眠りについた巨星たちを紹介することで、追悼の意を表したい。

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渡辺裕之、上島竜兵、あき竹城、アニソンの帝王・水木一郎らも永遠の眠りに

川津祐介
2月26日/享年86歳
松竹ヌーヴェルヴァーグという言葉を生むきっかけとなった大島渚監督の『青春残酷物語』(60)に主演し、同監督の『太陽の墓場』(60)や増村保造監督の『赤い天使』(66)、鈴木清順監督の『けんかえれじい』(66)などに出演、その後はTVのドラマやワイドショーなどを中心に活躍する一方、今年3月に亡くなった青山真治監督の『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』(06)、『サッド・ヴァケイション』(07)など映画出演も続けた。2021年から体調を崩して療養中だったが、2月26日に慢性心不全のため自宅で亡くなった。

宝田明
3月14日/享年87歳
1954年の『ゴジラ』に主演し、その後のシリーズにも数多く出演し、小津安二郎監督の『小早川家の秋』(61)や女性映画の傑作『その場所に女ありて』(62)などに出演。TVドラマのほか、1960年代からミュージカル俳優として「アニーよ銃をとれ」や「マイ・フェア・レディ」などで活躍した。映画は他に『あげまん』(90)『ミンボーの女』(92)『マルタイの女』(97)と伊丹十三監督作品に出演し、北野武監督の『監督・ばんざい!』(07)などに出演。2022年3月10日、4月公開の岩本蓮加(乃木坂46)とのW主演作『世の中にたえて桜のなかりせば』の完成披露試写の舞台挨拶に登壇した直後に体調を崩し、14日に誤嚥性肺炎のため都内の病院で亡くなった。

山本圭
3月31日/享年81歳
ドラマや映画で名脇役として活躍した山本圭は3月31日に肺炎のために亡くなった。俳優座養成所から正式に入団し、1962年に叔父の山本薩夫監督の『乳房を抱く娘たち』で映画デビュー。同監督の『戦争と人間』シリーズ(71〜73)や『不毛地帯』(76)などに出演したほか、海外でも人気の高い『新幹線大爆破』(75)などに出演。近年は『SP 野望編』(10 )、『SP 革命編』(11)などに出演した。遺作は、ドラマ『やすらぎの刻〜道』(19〜20)。

渡辺裕之
5月3日/享年66歳
TVドラマやCMで活躍した渡辺裕之は、村上龍監督、ピーター・フォンダ共演の『だいじょうぶマイ・フレンド』(83)や西ドイツ(当時)合作の『ウィンディー』(84)など海外と関わりある映画に早くから出演していた。近年も日本とロシアの合作『ハチとパルマの物語』(21)、マイケル・マンが製作・監督を務めたドラマ『TOKYO VICE』(22)に出演。2023年にも出演映画が公開待機中。

上島竜兵
5月11日/享年61歳
お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」のメンバーで、リアクション芸人としてTVのバラエティ番組で活躍。元々俳優志望で、多くのドラマや映画では山田洋次監督の『虹をつかむ男』(96)や是枝裕和監督の『花よりもなほ』(06)、中村義洋監督の『決算!忠臣蔵』(19)などに出演。

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島田陽子

右から2人目が島田陽子/『島田陽子に逢いたい』イベントにて(2010年)

島田陽子
7月25日/享年69歳
1970年代に映画『砂の器』(74)や『犬神家の一族』(76)などでヒロインを演じ、1980年にアメリカのテレビドラマ『将軍 SHŌGUN』でヒロインを演じて国際的にも活躍した島田陽子は7月25日に大腸がんによる多臓器不全のため都内の病院で亡くなった。最初で最後となったプロデュース作で、榎木孝明と共演の遺作映画『エヴァーガーデン』は2022年公開予定と伝えられていた。

YOSHI

『タロウのバカ』に主演したYOSHI/(C) 2019映画「タロウのバカ」製作委員会

YOSHI
11月5日/享年19歳
13歳の時に、ファッションデザイナーの故ヴァージル・アブローのInstagramに登場し、一躍注目を浴び、モデルやシンガーとしても活動。2019年に大森立嗣監督の『タロウのバカ』で主演デビューし、その後もCMソングを手がけて出演したり配信ドラマ『僕だけが17歳の世界で』(Abema TV)に出演。2022年11月1日、ボーイズグループのオーディション「YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X」でボーカルに選出されたが、5日に大型バイクを運転中にトラックと衝突事故を起こし、亡くなった。

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佐藤蛾次郎(左)と津川雅彦(右)

佐藤蛾次郎(左)と津川雅彦(右)/『脇役物語』試写会にて(2010年)

佐藤蛾次郎
12月9日/享年78歳
映画『男はつらいよ』シリーズの柴又題経寺の寺男・源吉役で長く親しまれた佐藤蛾次郎。30年近く続いたシリーズの合間に、映画やドラマで個性的な脇役として活躍した。近年は西島秀俊と西田敏行のW主演映画『任侠学園』(19)や小栗旬主演の『罪の声』(20)に出演していた。12月10日午前に自宅で亡くなっているのを親族が発見。死因は虚血性心不全とみられている。

映画のほか、TVのドラマやバラエティなどで楽しませてくれた方々もこの世を去った。

西郷輝彦
2月20日/享年75歳
歌手として「星のフラメンコ」が大ヒットし、ドラマ『どてらい男』、『江戸を斬る』、映画『柳生一族の陰謀』(78)、『影の軍団・服部半蔵』(80)などで活躍した。2021年にステージ4の去勢抵抗性前立腺がんで闘病中であることを公表し、闘病を続けていた。

志垣太郎
3月5日/享年70歳
1970年代にドラマ『おれは男だ!』、『あかんたれ』などで人気を博し、80年台以降は『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』『踊る!さんま御殿!!』などバラエティでも人気を博す。遠征先で急な体調不良による心不全で死去。12月になってから長男が訃報を伝えた。

柳生博
4月16日/享年85歳
1960年代から数々のTVドラマや映画『翔んだカップル』(80)、『ミンボーの女』(92)、『静かな生活』(95)に出演。70年代後半から山梨県に拠点を移し、2000年以降は講演活動やバラエティ中心に活躍。20年ぶりの連続ドラマ『やすらぎの刻〜道』への出演が俳優としての遺作。

仲本工事
10月19日/享年81歳
コントグループ「ザ・ドリフターズ」のメンバーで毎週土曜に生放送されたバラエティ番組「8時だョ!全員集合」を中心に活躍。ザ・ドリフターズとしての映画出演に加えて、個人でも俳優として活躍。『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督の『寝ても覚めても』(18)では震災後の被災地で主人公カップルと交流する人物を演じた。10月18日に交通事故で頭部に重傷を負った翌日、急性硬膜下血腫により亡くなった。

渡辺徹
11月28日/享年61歳
ドラマ「太陽にほえろ!」のラガー刑事役で人気を博し、明るいキャラクターでドラマやバラエティで活躍した。近年はNHK大河ドラマ「青天を衝け」、「地球ドラマチック」(NHK教育)の日本語版ナレーターとして出演。11月20日に体調を崩して入院治療を受けていたが、28日に敗血症により亡くなった。

マジンガーソング

水木一郎
12月6日/享年74歳
1960年代から歌手として活動し、1968年にレコード・デビューしたのち、70年代から『マジンガーZ』、『がんばれ!!ロボコン』、『宇宙海賊キャプテンハーロック』など数々のTVアニメの主題歌を歌い、「アニメソング」の帝王として活躍し、ライブ活動も人気を博した。7月にステージ4の肺がんで闘病中であることを公表、11月にも車椅子でライブに登場していた。

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きゃりーぱみゅぱみゅ(左)とあき竹城(右)

きゃりーぱみゅぱみゅ(左)とあき竹城(右)/『パラノーマル・アクティビティ3』のハロウィンイベントにて(2011年)

あき竹城
12月15日/享年75歳
出身地の山形弁と明るいキャラクターでドラマや映画の脇役、TVで人気を博した。日劇ミュージックホールなどのダンサーを経て、タレント・俳優として活躍。1983年にカンヌ国際映画祭最高賞のパルムドール受賞作『楢山節考』やNHK大河ドラマや連続テレビ小説に出演。近年は映画『嫌われ松子の一生』(06)『小さいおうち』(14)に出演。約2年前から大腸がんで闘病していたが、本人の希望で公表していなかった。