妻夫木聡「言葉が通じなくても映画というもので世界はひとつになれる」主演作が釜山国際映画祭でクロージング上映

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Busan International Film Festival

俳優の妻夫木聡が10月14日、韓国で行われた第27回釜山国際映画祭に安藤サクラ、窪田正孝、石川慶監督と共に出席。クロージング作品として上映された新作映画『ある男』をアピールした。

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妻夫木聡主演『ある男』釜山国際映画祭クロージング上映

本作は、平野啓一郎のベストセラー小説「ある男」を、『蜜蜂と遠雷』(19年)の石川監督がメガホンをとって映画化。弁護士の城戶(妻夫木)は、かつての依頼者である里枝(安藤)から里枝の亡くなった夫「大祐」(窪田)の身元調査という奇妙な相談を受ける。里枝は離婚を経て、子供を連れて故郷に戻り、やがて出会う「大祐」と再婚。そして新たに生まれた子供と4人で幸せな家庭を築いていたが、ある日「大祐」が不慮の事故で命を落としてしまう。悲しみ暮れる中、⻑年疎遠になっていた大祐の兄・恭一が法要に訪れ、遺影を見ると「これ、大祐じゃないです」と衝撃の事実を告げる。愛したはずの夫「大祐」は、名前もわからないまったくの別人だったのだ…。「ある男」の正体を追い“真実”に近づくにつれ、いつしか城戶の中に別人として生きた男への複雑な思いが生まれていく…、というストーリーが展開される。

夜のクロージング上映に先立ち、釜山市内で韓国メディアに向けた記者会見が実施された。石川慶監督は「釜山(映画祭)は我々アジアのフィルムメーカーにとって夢のような場所。そのクロージングに選んでいただけて光栄」とコメント。今回で映画祭への参加が3回目となる妻夫木は、「釜山の人たちはいつも温かく迎えてくれ、そして映画をとても愛していると肌で感じます」と印象を語った。

夕刻、映画祭のメイン会場である映画の殿堂にて行われたクロージング上映。10日間に及ぶ釜山国際映画祭の締めくくりとして約5000名の観客が集まり、妻夫木、安藤、窪田、石川監督がレッドカーペットに登場すると、会場は盛大な拍手に包まれた。

華やかなレッドカーペットに続き、クロージングセレモニーが開始。各部門の表彰が続き会場が熱気に包まれる中、いよいよクロージング作品として本作が紹介され、キャストと監督が舞台上に登壇。妻夫木は「こんにちは、妻夫木聡です。お会いできて嬉しいです」と堂々と韓国語で挨拶をすると、会場からは大きな拍手と歓声が上がった。

クロージング作品に選ばれた気持ちを問われると「言葉が通じなくても映画というもので世界はひとつになれるというすばらしさを教えてくれたのが釜山(映画祭)でした。今回、『ある男』でまたここに来れたことをとても嬉しく思います」と心境を語っている。

これから本編が上映される会場に向けて安藤は「釜山のみなさんがどのように受け止めるのか、興味深く楽しみです」と期待を述べると、窪田も「少しでもたくさんの人に、皆さんの胸に、届いてくれた嬉しいです」と語った。最後に監督が「本作は日本社会が抱える問題を描いていますが、同時に世界にも共通するテーマだと思うので、映画を楽しんでいただきたい」と締めくくり、会場からは再び大きな拍手が沸き上がった。

『ある男』は11月18日より全国公開。

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