驚きと笑いに溢れたエピソードの数々、そして切なくも感動的なラスト

映画のキャスティングという仕事に迫るドキュメンタリー『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』が、4月2日より全国順次公開される。これに先駆けて本作の日本語版予告編と有名監督&俳優からのメッセージが公開された。

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本作品はハリウッドで長年活躍したキャスティングの先駆者マリオン・ドハティ(1923-2011)を中心に、キャスティングという仕事に迫るドキュメンタリーだ。

絶妙なセンスと直感的な先見の明を頼りに、白人男性至上主義が根強く、役者を単純にタイプ分けしていた古いスタジオの配役方法から、ユニークで多彩なアンサンブルキャストへ移行する道筋をつけ、革新的なアメリカン・ニューシネマの到来を告げたマリオン。驚きと笑いに溢れたエピソードの数々、そして切なくも感動的なラストまで……その人生を通して映画史に新たな光を当てる。

主な出演者はマーティン・スコセッシ、ロバート・デ・ニーロ、ウディ・アレン、アル・パチーノ、ロバート・レッドフォード、クリント・イーストウッド、メル・ギブソン、ダニー・グローヴァー、ダスティン・ホフマン、ジョン・ヴォイト、グレン・クローズ、ジョン・リスゴー、ベット・ミドラー、ジョン・トラボルタなど、まさに錚々たる顔ぶれ。彼らが自らのキャリアを変えた“あの役”を語る。さらに現在活躍する後進のキャスティング・ディレクターたちが、貴重な証言を寄せている。

12年に米国で公開された本作品は、キャスティングへの再評価と、その後にアカデミー賞が取り組む変革にも重要な役割を果たしたと評価されている。19年に英国アカデミー賞がキャスティング部門を新設したことも話題となっており、現在の映画界を知る上では欠かせない作品といえるだろう。

今回、日本語版予告編に加えて、有名監督や俳優からショート・メッセージが寄せられた。

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アル・パチーノは『俳優を続ける中で好きになった言葉の一つが“励まし”だが、マリオン・ドハティは“励まし”そのもののような人だった。そんな人を私は彼女以外には知らない』、クリント・イーストウッドは「彼女は唯一無二、のとても特別な人だった」とその人柄を振り返る。

また、ロバート・レッドフォードは「彼女は明らかに映画界の水準を引き上げた。私自身も、いろいろな役に挑戦できたのは彼女のお陰だった」と感謝し、マーティン・スコセッシは「映画監督の仕事の9割は、キャスティングの質で決まってしまう」とキャスティングの重要性についてコメントした。

『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』は4月2日より全国順次公開される。

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