英女優ジョディ・カマー「自分自身も励まされた」男性社会に埋もれた女性に光当てる『最後の決闘裁判』NYプレミア

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史実に埋もれた女性に光を当てたジョディ・カマー
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俳優のマット・デイモン、アダム・ドライバー、ベン・アフレック、女優のジョディ・カマー、リドリー・スコット監督が10月10日(現地時間)、米ニューヨーク州で実施された新作映画『最後の決闘裁判』のニューヨークプレミアに登場。本作の見どころを語った。

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マット・デイモン『最後の決闘裁判』の“羅生門的構成”を語る

同映画は、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(98年)で脚本を共同執筆し、アカデミー賞・脚本賞を受賞したマットとベンが24年ぶりにタッグを組んで参加した脚本を映画化し、『羅生門』(50年)的手法を用いた実話ミステリー。1386年に行われ、史実としていまだに真相不明なフランス最後の決闘裁判を、事件を告発した被害者女性マルグリット(ジョディ)、マルグリットの夫にして世紀の決闘裁判に挑む騎士カルージュ(マット)、訴えられた容疑者(アダム・ドライバー)の3人の視点から描く。

本作の脚本制作において、『羅生門』からインスパイアを受けていることを明かしているマット。今回のイベントでは「映画は3つの視点から語られていて、まず2人の男性(カルージュとル・グリ)の視点で話を導き、観客を2人の男性の間にある選択に引きつけ、そして2人の話では完全に無視されていた女性の世界(マルグリットの視点)を明らかにする、というアイディアでした。当時は、あるいは映画全般でその傾向があると言えるのですが、女性は個人ではなく(夫または父親の)所有物とみなされていたため、彼女の視点で描かれる第3幕こそが、客観的真実になると思ったんです。なぜなら、彼女だけが、自分自身が人間だと理解して物語を語っている唯一の存在だからです。それが脚本の構造のアイディアでした」と解説した。

24年ぶりに共同脚本に挑んだベンは「マットと一緒に仕事することは楽しかった。この映画をとても誇りに思っています」と製作の裏側を振り返りながら、その出来栄えをアピール。共演者であるジョディアダムについて「ジョディはすばらしく、アダムは本当にすごい。登場人物の視点で描かれる物語の中では、演技の微妙な差によって本当の物語があらわれてくるので、とてもデリケートな表現力が必要だったんです」と語った。

ジョディ・カマー、3人の視点演じ分ける

ジョディはマルグリットを演じる上で、自身が演じたマルグリットを自らリサーチを重ねたそう。そのなかで「調べていくにつれ、男性に関しては多くの情報が残されているのに対し、女性に関しては残された情報が少ないことに驚かされました」とショックを受けながらも、「マルグリットに声を与えることができるという点に惹かれたんです。彼女の立場に正義を与え、その物語を語ることはとても光栄でした。自分自身も励まされたし、皆さんにもそう感じてもらえたら嬉しいです」とマルグリットへのリスペクトを明かしている。

原作を読み、映画化を熱望したマットも、マルグリットという実在した女性に対して「彼女は今まで聞いたことがないようなすばらしいヒーローで、知った瞬間に映画にしたくなるような人物です。彼女が持っていた信じられないほどの勇気、彼女が戦っていたもの、そして彼女が取った行動は本当に素晴らしく、讃えられるべきものなのです」と賛辞を送った。

そんなマルグリットを演じるにあたり、3人の視点で物語が語られる3部構成を用いた本作では、同じセリフの同じシーンを演技で演じ分けなければならない。ジョディは「男性たちがそれぞれに思っているマルグリットを表現して、差し出していかなければいけなかったんです。その都度、彼らが必要としたマルグリット、という意味でもありますよね。誰かが私にこうあってほしいと思っている姿を演じ分けるなんて、たいていの映画では必要ありません。そういう意味ではとても楽しい体験でした」と撮影を振り返った。

映画公開を控える中、エグゼクティブ・プロデューサーとしても名を連ねるマットは「原作を見つけた瞬間、『デュエリスト/決闘者』(77年)を思い浮かべました。それがリドリー・スコット監督の初作品だし、誰も彼のように中世フランスの世界を構築することはできない上に、一連の作品ですばらしく、そして強い女性の演技を提示してきていますから。彼なら最高の仕事ができると考えました」とリドリー・スコット監督と作り上げた本作に自信をのぞかせていた。

『最後の決闘裁判』は10月15日より日米同時公開。

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