発ガン性物質を40年間隠蔽した大企業と戦う『ダーク・ウォーターズ』12月17日公開

マーク・ラファロやアン・ハサウェイら実力派キャストが集結した新作映画『DARK WATERS（原題）』が、邦題『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』として12月17日より全国公開されることがわかった。あわせて日本版ポスターのビジュアルが解禁されている。

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実話にもとづく社会派映画『ダーク・ウォーターズ』

本作の製作のきっかけとなる問題が始まったのは1998年。オハイオ州の名門法律事務所で働く企業弁護士ロブ・ビロットが、思いがけない調査依頼を受ける。ウェストバージニア州パーカーズバーグで農場を営むウィルバー・テナントは、大手化学メーカー、デュポン社の工場からの廃棄物によって土地を汚され、190頭もの牛を病死させられたというのだ。さしたる確信もなく、廃棄物に関する資料開示を裁判所に求めたロブは、“PFOA”という謎めいたワードを調べたことをきっかけに、事態の深刻さに気づき始める。

デュポンは発ガン性のある有害物質の危険性を40年間も隠蔽し、その物質を大気中や土壌に垂れ流してきたのだ。やがてロブは7万人の住民を原告団とする一大集団訴訟に踏みきる。しかし強大な権力と資金力を誇る巨大企業との法廷闘争は、真実を追い求めるロブを窮地に陥れていく。

2016年1月6日のニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたその記事には、米ウェストバージニア州のコミュニティを蝕む環境汚染問題をめぐり、1人の弁護士が十数年にもわたって巨大企業との闘いを繰り広げてきた軌跡がつづられていた。そしてこの記事は、マーベル・シネマティック・ユニバースのブルース・バナー（ハルク）役で絶大な人気を博した実力派俳優ラファロの心を動かす。

ラファロの熱意にアン・ハサウェイ、ティム・ロビンスらが集結！

環境活動家でもあるラファロは、プロデューサーも兼任して映画化に向けて走り始める。実際のロブ・ビロット本人への取材を行うなど入念な役作りをこなし、静かな迫力をみなぎらせた渾身の演技を披露。ロブをスーパーヒーローでも聖人でもない生身の人間として体現し、観る者の深い共感を呼び起こす。

ラファロを盛り立てる共演者にもビッグネームが集結。『レ・ミゼラブル』（12年）でアカデミー賞助演女優賞に輝いたハサウェイがロブの最大の理解者である妻サラに扮し、『ミスティック・リバー』（03年）で同じくアカデミー賞助演男優賞を受賞したティム・ロビンスがロブの威厳ある上司タープを演じる。さらに『インデペンデンス・デイ』（96年）や『ロスト・ハイウェイ』（97年）のビル・プルマンが、ロブの弁護団に加わるベテラン弁護士役でさすがの存在感を見せる。

監督は『エデンより彼方に』のトッド・ヘインズ！

ラファロからの直々のオファーを快諾し、本作の監督を務めたのはトッド・ヘインズ。カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された『ベルベット・ゴールドマイン』（98年）や『キャロル』（15年）、『ワンダーストラック』（17年）、アカデミー賞脚本賞にノミネートされた『エデンより彼方に』（02年）などで知られる鬼才が、実話に基づく社会派リーガル・ドラマという新境地に挑み、卓越した語り口で見る者を魅了する。

今回解禁された日本版ポスターには、ラファロ演じる主人公ロブが真っ暗な部屋で一つの明かりを灯し、膨大な資料を読み漁っている姿が切り取られている。まるで巨大企業の闇に、ひとすじの光を見出すような、途方もない道のりを暗示しているかのようだ。さらに「真実に光をあてるためにどれだけのもの失う覚悟があるのか―」と添えられたコピーにより、無謀とも思える巨大企業との闘いに挑んだロブの苦難と葛藤が垣間見えるビジュアルとなった。

人命さえ脅かす化学物質の存在が身近な恐怖として描かれる本作。続報にも注目だ。

『ダーク・ウォーターズ』は12月17日より全国公開。