芳根京子「自分に絶望……」ダンス未経験も、ストイックな練習で完璧な“舞”を披露

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人類史上初めて永遠の命を得た女性の人生とは?!

21世紀を代表するSF作家ケン・リュウの短編小説「円弧(アーク)」を原作とした映画、『Arc アーク』が現在公開中だ。この度、主演の芳根京子のプラスティネーション(遺体を生きていた姿のまま保存できるようにする施術)するシーンを切り取った本編映像が解禁となった。

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本作の監督は『愚行録』『蜜蜂と遠雷』などの石川慶がメガホンをとり、主人公・リナに扮するのは、『累 -かさね-』と『散り椿』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、最新作『ファーストラヴ』でも熱演を見せた芳根京子。一人の女性の17歳から100歳以上を生き抜くという、キャリア史上最難関の役どころを繊細かつ大胆に演じきっている。その他、リナが勤めるエターニティ社の責任者エマを寺島しのぶ、エマの弟で天才科学者である天音役を、岡田将生が演じている。さらに、物語の重要なカギを握る人物として、倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫の3人が脇を固めている。

この度解禁されたのは、本作を映像化するにあたって最大の難関であった“プラスティネーション”のシーン。本作の主人公・リナ(芳根京子)は、最愛の存在を亡くした人々からの依頼を受け、故人やペットを在りし日の姿のまま永久に保存する“ボディワークス”の制作の仕事に就いている。そして、その制作の仕上げとして顔や手の角度、視線など最終的なポーズを決めるのに使っているのが“あやつり人形風の装置”だ。

石川監督は、原作にある“あやつり人形の製作に少し似ていた”という表現を映像化するにあたり、“舞”の要素を取り入れることを思いついたという。美術チームと振付チームは監督の規格外な発注に答えるべく試行錯誤を重ね、ロケ地となった香川県庁東館のロビーに、そのまま巨大なあやつり人形風のセットを組み立て、ストリングスをクロスさせたり、ターンを入れたりと、視覚的なメリハリを重視したオリジナルの“舞”を作り上げた。

芳根が挑戦する少し前に同じセットで撮影したリナの師であるエマを演じる寺島は、前もって動画で確認していた“舞”を難なくクリア。それどころか現場で自らアレンジも加えて、完璧なエマ像を体現した。そのエマから地位を引き継ぐリナを演じる芳根は、ダンス未経験だったという。「どうしよう、この後にやるんだ、と思って絶望しました。普段は役として追い詰められていますが、今回は完全に芳根京子が追い詰められて、芳根京子が慌てていました」と撮影を振り返っている。「自分のレベルの足りなさを感じて、間を見つけてはたくさん練習をしました」とストイックに語る芳根の努力の成果は、映像の中で存分に発揮されている。

本シーンは、この儀式を見学していた子どもからの「この会社は人を死なない身体に作り変えようとしているのですか?」という質問に対し、リナが「あなただったらどうしたい?大事なのはそこ、選ぶのはあなた」と未来を生きる子どもたちの可能性を育む返答で締めくくられている。

エマの弟・天音が遂に完成させたストップエイジングによる「不老不死」の施術によって、30歳の身体のまま永遠の人生を生きていくことになるリナ。その後、“リナの選択”はどういうものになるのか……。物語の行く末を劇場で確かめてみたい。

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