矢本悠馬が訴える「見て見ぬふりをせず、相手を思いやる想像力があれば」

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破戒
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『破戒』矢本悠馬のインタビュー映像

間宮祥太朗主演、前田和男監督で島崎藤村の「破戒」を映画化した『破戒』が7月8日に全国公開される。このたび、主人公・丑松(間宮)を支える親友・銀之助役の矢本悠馬のインタビュー映像と場面写真が公開された。

矢本は、プライベートでも間宮と仲がいいこともあり、ストレスなく演じられたと語る。

「(『破戒』のテーマについては)明治初期の話ですが、現在でも差別はありますし、学校や近所とか身近なところで、『人と違う』ということでイジメを受けている。それも差別だと思うから、広い範囲で日常生活の中にあるものだと思います。(親友である丑松の告白を受け入れた)銀之助みたいに急に柔軟にはなれないかもしれないけれど、この作品を通して(差別をしている)当事者や、見て見ぬふりをしている人たちも、相手を思いやる想像力というか、何か心が豊かになるきっかけになればと思っています」

水平社創立100周年記念作品

本作品は、瀬川丑松(間宮)が被差別部落出身ということを隠して地元を離れ、ある小学校の教員として奉職した苦悩を描く。

彼は、その出自を隠し通すよう、亡くなった父からの強い戒めを受けていた。彼は生徒に慕われる良い教師だったが、出自を隠していることに悩み、また、差別の現状を体験することで心を乱しつつも、下宿先の士族出身の女性・志保(石井杏奈)との恋に心を焦がしていた。友人の同僚教師・銀之助(矢本)の支えはあったが、学校では丑松の出自についての疑念も抱かれ始め、丑松の立場は危ういものになっていく。苦しみのなか丑松は、被差別部落出身の思想家・猪子蓮太郎(眞島秀和)に傾倒していく。猪子宛に手紙を書いたところ、思いがけず猪子と対面する機会を得るが、丑松は猪子にすら、自分の出自を告白することができなかった。そんな中、猪子の演説会が開かれる。丑松は、「人間はみな等しく尊厳をもつものだ」という猪子の言葉に強い感動を覚えるが、猪子は演説後、政敵の放った暴漢に襲われる。この事件がきっかけとなり、丑松はある決意を胸に、教え子たちが待つ最後の教壇へ立とうとする。

『破戒』は、7月8日に全国公開される。