『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』太川陽介×蛭子能収インタビュー

プライベートでは一緒に旅なんかしたくない!?

#太川陽介#蛭子能収

海外ロケでも打ち合わせはいつもと同じで5分だけ!

2007年にスタートし、最高視聴率15.3%を誇るテレビ東京の旅バラエティ番組『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』。太川陽介と蛭子能収にマドンナ1人を加えた3人が、路線バスだけを乗り継いで、制限時間内に決められたゴールを目指すガチンコ旅は、今やお茶の間でも大人気となっている。

今回は、なんとテレビの枠を飛び越え、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』と題して映画版が完成! しかも、初めての海外ロケとなる台湾を舞台に、繰り広げられることとなった。言葉も習慣も違う国で、ハプニング続出となった3泊4日の旅。息の合ったコンビネーションをみせる太川陽介と蛭子能収が、大爆笑に包まれながら旅の裏側について語ってくれた。

インタビュー中も笑いが絶えない太川陽介(左)と蛭子能収(右)

──毎回、旅のガチンコスタイルが名物ですが、今回は初の映画化、そして初の海外ということで、事前にどのくらい打ち合わせをされたのでしょうか?

太川:打ち合わせ時間は、通常のテレビ番組と同じく5分だけで、スタートとゴールに2つ丸が付いている地図のコピーを渡されて終わりです(笑)。

──ちなみに、行き先が台湾だと知ったのは、出発のどれくらい前でしたか?

太川:それは出発の1〜2ヵ月くらい前には聞いたと思います。

蛭子さんは民宿に泊まるのが嫌で泣いてた!?(太川)
『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』
(C)2015「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」製作委員会

──台湾は日本とはまったく違ったと思いますが、特に蛭子さんは、泊まる場所や食べ物にこだわりがあるようなので、台湾の宿泊事情や料理についての感想を教えてください。

蛭子:あんまり日本と変わらなかったような気がしますね。

太川:覚えてないからね(笑)。台湾に行ったことと映画を撮ったことは覚えてる?

蛭子:いくらなんでも覚えてますよ(笑)! 台湾のことはよく覚えてるんですよ。ただ、宿泊で困ったことはないです。

太川:民宿に泊まるのが嫌で泣いてたじゃない(笑)!

蛭子:そうだっけ(笑)? ウソでしょ! 映画を昨日見たけど、そんなシーンなかったよ。

太川:ちゃんと見てないんでしょ!

『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』
(C)2015「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」製作委員会
──海外が舞台ということで、太川さんはリーダーとして大変なことも多かったと思いますが、いままでのシリーズ史上何番目くらいに大変でしたか?

太川:“致命傷”とも言えるくらいのことが起きたので、そういう意味では、今までで一番のハプニングだったと思います。台風のせいですよ。

蛭子:ほんとに、「台風が来なかったら、あの映画はどうなってたかな」と思いました(笑)。

太川:そういうことは思ってても、普通言わないんだよ(笑)!。

──過去のシリーズでも見られるように、旅の途中で思わず出てしまう蛭子さんの毒舌とそれを笑顔で見守る太川さんという絶妙のコンビネーションが、長年に渡って人気番組である秘訣の一つだと思いますが、いかがですか?

太川:笑顔じゃないですよ(笑)!

蛭子:ほんと、いつも怒られてるんですよ(笑)。

太川:僕だから怒る量があれで済んでるんですけど、普通の人だったら、もっと頻繁に怒りますよ。

──蛭子さんは狙ってそういう発言をしているのか、それとも気がついたら発言してしまっているのでしょうか?
『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』
(C)2015「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」製作委員会

蛭子:気づいたら口から出てるんですけど、一応「そんなことで怒るはずない」と思って喋ってるんですよ。だから、太川さんとは基準がちょっと違うんでしょうね(笑)。僕は「人間は何を喋っても自由だ」と思っているから、人には怒らないんですよ。言論の自由です(笑)!

──そんな蛭子さんを長年隣で見ている太川さんは、正直どのように感じていますか?

太川:蛭子さんは、目で見たら、それがそのままところてんみたいに口から出てるんです(笑)。脳というフィルターを通さないんですよ。

蛭子:ところてんじゃなくて、ちょっとは抑えてますよ(笑)! もし、そんな風に全部言えたら、もっと面白いものになると思いますよ。

結局、僕たち主演がよかったんでしょうね(蛭子)
太川陽介(左)と蛭子能収(右)

──蛭子さんは、「台湾は行き当たりばったりの国だから、自分は台湾出身かな?」とおっしゃっていましたが、台湾の印象はいかがでしたか?

蛭子:台湾の人たちはとにかくみんな優しかったです。1人に尋ねたら、周りの人が我先にと教えてくれるんですよ。

──わざわざキレイな女性に道を尋ねていたと思いますが……。

蛭子:まったく覚えてないです(笑)。僕は、その場その場で生きてるだけだから、先のことはあんまり考えてないの。

太川:ほんと、行き当たりばったりなんだから(笑)!

『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』
(C)2015「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」製作委員会

──現地では日本語を話せる方もわりと多いようでしたが、実際に台湾の方とコミュニケーションを取ってみていかがでしたか? 

太川:台湾の人はすごく穏やかで、肩がちょっとぶつかってもすぐに謝るし、「あれなら街中でトラブルはないだろうな」と感じました。

蛭子:とにかくみんな親切でしたね。でも、どこの国も一緒かな?

太川:いやいや、そんなことないよ! 1人に聞いたら、みんな答えてくれるんだけど、みんな違うこと言うから、どれが正解なんだかわからないんですよ(笑)。

──台湾で出来なかったことや行けなかった場所で心残りはありますか?

蛭子:台湾にはギャンブルがなかったですね。麻雀しそうなイメージあったんですけど、雀荘も見なかったし、ギャンブルのようなものを発見することができなかったですね。

太川:モグリでやってるパチンコ屋があったけど、違法だったから撮影できなかったんですよ。

太川陽介(左)と蛭子能収(右)

──ところで、プライベートだったら、お互いを旅のパートナーに選びますか?

太川:絶対ありえないよね(笑)。

蛭子:そうですね(笑)。

太川:お互いに携帯番号も知らなくて、この番組でしか会わないんですから。でも、密度の濃い時間を充分に過ごしているので、満腹感を感じているくらいです(笑)。

──現在は、「1:他の交通機関の利用は禁止、2:インターネットの利用は禁止、3:すべて自分たちで行う」という3つのルールに従って動いていますが、もし1つだけルールを追加できるとしたら何を追加したいですか?

蛭子:バスがないところはタクシーに乗っていいというのは、ぜひやって欲しいかな。

太川:バスの待ち時間に観光に行くときくらいは、タクシーを使わせて欲しいですね。そこから観光地に行くのまでバスなんですよ。だから、それだけは許して欲しいですよね。

蛭子:そうそう! 観光が全然出来ないんですけど、せめて観光は行きたいですね! あと、スタッフは大きな車でついてきてるんだから、それに乗せてもらって、観光くらいしてもいいんじゃないですかね(笑)。

──もし、映画化の第2弾があれば、どこに行きたいですか? 

太川:外国に一回行っちゃったら、映画版で国内はありえないでしょうね。だから、きっと次も外国ですかね。

蛭子:じゃあ、ラスベガスで(笑)!

太川:ゴールはカジノで、スロットマシーンを回してるところがエンディングかな。

蛭子:そうそう、数字がぐるぐる回ってるところで終わるのがいいですよ。

『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』
(C)2015「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」製作委員会

──ラスベガスでは、どんなマドンナと一緒がいいですか?

蛭子:そうですね。でも、自分から好みとか言えないので、誰がいいとは言えないですけど、キレイな人よりお笑い系の面白い人がいいですね。キレイな人は遠慮してしまうし、僕の方には来ないで、結局は太川さんが奪ってしまうでしょ(笑)?

太川:そんなことないでしょ(笑)! 蛭子さんの方がモテてるでしょ! 今までのマドンナも「蛭子さんって楽しい」って言ってて、いつも人気じゃない!

蛭子:最初だけみんなそう言うけど、結局は太川さんが全部持っていくんですよ(笑)。バスの中で、2人でしっとりしちゃうから、僕は1人寂しく前の方の席に座って、「いいよいいよ」っていつも思ってるんですよ。

太川:そんな作り話して、何言ってるんですか(笑)! 僕はずっと地図見てるんじゃないの!

蛭子:そうですね(笑)。

──テレビシリーズのファンや今回初めて映画で見る方に向けて、見どころを一言お願いします。

蛭子:映画は、まあまあ良く出来てたんじゃないですかね(笑)。面白かったです。結局、僕たち主演がよかったんでしょうね(笑)。でも、ずっと太川さんが一人で動いてて、僕は何にもしないでついて行ってるだけでした。後半に転んだんですけど、それが僕の唯一の見どころです(笑)。まだそのときの膝が痛いんですけど、その痛みでずっと台湾のことを思い出します。

太川:これは、バス旅に関わっている人たちとファンのみなさんとのお祭りなので、ぜひみなさんも参加してください!

(text:志村昌美/photo:中村好伸)

太川陽介
太川陽介
たがわ・ようすけ

1959年1月13日生まれ、京都府出身。俳優。1976年にレコードデビューし、50年代を代表するトップアイドルとなる。近年の主なテレビドラマ出演作は、「相棒」(2014/EX)。さらに、舞台「細雪」やミュージカル「南太平洋」などでも精力的に出演している。

蛭子能収
蛭子能収
えびす・よしかず

1947年10月21日生まれ、長崎県出身。漫画家。1986年には劇団東京乾電池公演の「台所の灯」に参加。その後、俳優やタレントとしても活躍。近著に『ひとりぼっちを笑うな』『蛭子の論語』(角川新書)がある。