11月公開作の興収1位は『MOZU』。10億超えの作品はなく全体的に低調

#映画興収レポート

『劇場版 MOZU』
(C)2015劇場版「MOZU」製作委員会
(C)逢坂剛/集英社
『劇場版 MOZU』
(C)2015劇場版「MOZU」製作委員会
(C)逢坂剛/集英社

11月興行の1位は『劇場版 MOZU』の8.7億円。主演の西島秀俊をはじめ、共演の香川照之、伊勢谷友介、松坂桃李、池松壮亮、真木よう子、ビートたけし、羽住英一郎監督らがテレビや雑誌など数多くのメディアでPRに務めた。初日舞台挨拶のほか、名古屋、大阪、東京で大ヒット御礼舞台挨拶ツアーを実施。公開後のメディア露出にも力を入れた。

今作はTBSとWOWOWの共同製作で、両局で宣伝にあたった。TBSでは映画特番を放送。『ぴったんこカン・カン』や『ジョブチューン〜アノ職業の話、ぶちゃけます』といったバラエティ番組に西島秀俊らが出演した。

WOWOWでは11月8日に『MOZUスピンオフ 大杉探偵事務所』の『美しき標的編』、続く15日には『砕かれた過去編』を放送。11月1日にはテレビシリーズの再編集版、11月3日からは全15話を一挙放送した。

2位は『グラスホッパー』の6.8億円。主演の生田斗真らがテレビや雑誌など数多くのメディアでPRに務めた。生田は初日舞台挨拶のほか、東京での大ヒット御礼舞台挨拶に出席。宣伝に力を入れた。

3位は『エベレスト3D』の6.4億円。東京国際映画祭での上映に合わせた記者会見にはバルダザール・コルマウクル監督、唯一の日本人キャストとして七大陸最高峰を制覇した登山家・難波康子さんを演じる森尚子が出席した。

今月の公開作には興収10億円超えのものがなく、全体的に低調だった。

なお、11月21日からは正月映画の先陣を切って『リトルプリンス 星の王子さまと私』が公開された。全国569スクリーンでの拡大公開で、初日2日間の興収は1億700万円。やや物足りない出足となった。(文:相良智弘/フリーライター)

[11月公開作ランキング]
1位『MOZU』8.7億円
2位『グラスホッパー』6.8億円
3位『エベレスト3D』6.4億円
(11月22日時点。ムビコレ調べ)

●相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

【関連記事】
【興行トレンド】シネマライズ閉館! アート系映画は絶滅寸前なのか!?
【映画興収レポート】10月公開作、TV局出資ナシの『バクマン。』が1位! 三谷幸喜監督新作は前作56%出足で伸び悩みか
【興行トレンド】動画配信サービスの戦国時代到来!(3回目)/有力映画の配信権を独占契約する動きが加速?
【興行トレンド】動画配信サービスの戦国時代到来!(2回目)/コンテンツに3600億円超を投資するNetflix、クリエイターを魅了する方針とは?
【興行トレンド】Netflix、アマゾン…動画配信サービスの戦国時代到来!(1回目)