輝く青春なんて幻想!? なぜ10代女子はイラつくのか

『ふきげんな過去』
(C)2016『ふきげんな過去』製作委員会
『ふきげんな過去』
(C)2016『ふきげんな過去』製作委員会

【ついついママ目線】
若いゆえのしんどさを思い出させてくれる『ふきげんな過去』前編

◆10代は、全てが不満でイライラしっぱなし!

二階堂ふみのショットから始まり、二階堂ふみのショットで終わる『ふきげんな過去』。劇団“五反田団”を主宰し、染谷奨太主演で映画化された『生きてるものはいないのか』などの戯曲でも知られる演劇人・前田司郎が脚本・監督を手がけたヒューマン・ドラマだ。

二階堂ふみ演じるヒロインの果子は毎日が死ぬほど退屈だが、新たなる世界に飛び出して行くこともできずにいる18歳の高校生。気だるい夏の日に、小泉今日子演じる18年前に死んだはずの叔母・未来子が突然戻ってきたことから、果子の無為な日々が少しづつ動き出す。

タイトル通り果子は始終、とても不機嫌だ。他人の存在も自分の存在もこの世にあるものすべてがいちいち気に入らないのだろう。それを隠す余裕もなく、周囲に当たっている彼女からは若く痛々しい青さが漏れ出ている。

果子を見ると10代の自分を思い出す。自分にも世界にも不満でイライラとすることがあった。それでいて、実際には自分の世界は狭く、人生経験は少なく、けれどその自覚も薄いので何かを変えたくてもどうしていいか分からず、やってみたところでたかが知れていた。その不安や挫折からまたイライラが生まれるスパイラルもあった。果子ほどウツウツと溜め込んでいなくても、思い当たる胸の痛みは誰もが持ち合わせているだろう。(後編「理不尽に当たり散らす我が子への正しい対応とは?」に続く…)

後編/理不尽に当たり散らす我が子への正しい対応とは?

『ふきげんな過去』は6月25日よりテアトル新宿ほか全国公開される。

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