前編/白目で寝ても妙にハマる広瀬すず、残念美人度が足りないのが残念な『ちはやふる』

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『ちはやふる -上の句-』
(C)2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (C) 末次由紀/講談社
『ちはやふる -上の句-』
(C)2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (C) 末次由紀/講談社

競技かるた、迫力の対戦シーンを再現!

和物の文化部だなんて地味、というイメージを払拭してエンターテインメント性あふれる青春ドラマとして引き込んでゆき、ひとつのジャンルとして確立された和物の文化部系コミック。書道部の「とめはねっ! 鈴里高校書道部」、箏曲部の「この音とまれ!」などあるが、なかでも代表格と言えるのが、競技かるた部を題材にした「ちはやふる」。広瀬すず、野村周平、真剣佑ら豪華キャストで映画化され、『ちはやふる -上の句-』『ちはやふる -下の句-』として前後編2部作で公開される。

原作「ちはやふる」は2008年から「BE・LOVE」に連載中の少女漫画で、盗用騒動で活動を休止していた末次由紀が起死回生をかけて挑み、見事にヒットさせた。少女漫画らしく、ヒロインにとってヒーロー的な存在の遠くに居る想い人と、弱ったときにも傍で支えてくれる友だちのようでいて実はヒロインを一途に想い続ける男子も登場し、贅沢かつ王道の淡い恋愛も描かれる。一方で、恋愛ものに興味ない男子でも夢中になれるほど、競技かるたの世界を描いたスポ根ドラマがこの作品のメインだ。

スポ根ものでは弱小チームが強豪を相手に活躍するのが定番だが、「ちはやふる」もそのパターン。かるた大好き!かるたバカのヒロイン・千早は高校に入学すると、小学生時代にかるたチームを組んでいた太一と共になんとか部員を集めてかるた部を立ち上げる。かるた初心者もいる凸凹チームだが、くじけそうになりながらも実力をつけていくうちに次第に結束力も強まり、チームの絆で戦いを乗り越えてゆく。そのさまは清々しく、熱くて小気味いい。

知らない人は「かるたがそれほどまでに魅力的?」と思うだろうが、競技かるたは全身を使ってコンマ1秒を競うスポーツだと言い切ってもいいほどの競技。緊張感みなぎるなか百人一首の上の句の一音、一音を聞き取り、対戦相手よりも速く札をとっていく。その取り方は札を弾き飛ばしてダイナミック。原作コミックでは華麗で迫力たっぷりに描かれ、この競技かるたの醍醐味が映画版でも味わえるのか気になったが、ハイスピード撮影を交えながら指先まで捉えて再現されたクールな対戦シーンは原作ファンも満足するハズだ。(中編へ続く…)

『ちはやふる -上の句-』は3月19日より、『ちはやふる -下の句-』は4月29日より公開される。

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