中編/女子も萌える自転車競技アニメ『弱虫ペダル』、スポ根だけどヲタクな主人公の活躍に熱くなる!

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2.5次元だけでなく劇場版も完成度高い!

(…前編より続く)自転車競技に熱い青春をかける高校生たちを描いたスポ根漫画「弱虫ペダル」。テレビアニメシリーズも好評な作品の映画版オリジナル『劇場版 弱虫ペダル』のDVD、Blue-rayが発売となる。

「弱ペ」は主人公をはじめとしてキャラクターがしっかりと設定されているために、キャラクターの背景を掘り下げた原作者によるスピンオフ『弱虫ペダル SPARE BIKE』やリスペクト漫画を集めたアンソロジー『放課後ペダル』といった書籍まである。これはもう、公式の同人本というか二次創作のようで、アニメファンのツボをくすぐってくる。もちろん、非公式の腐女子作品もわんさか。

そんなサイドも攻めつつ、作品の魅力の核はチームの熱い絆! この作品を見るまで、自転車競技がこんなにもチームワークのスポーツだとは知らなかった。1チーム6人のうち1人を誰よりも速くゴールさせるために、坂が得意な者、平地が得意な者たちが要所要所でチームを引っ張っていく、たとえ自分が力尽きて途中で棄権となろうとも。己に負けそうになるチームメイトを身も心も削って支えあってゴールに向かっていく姿にはただただ感動!

熱くて素敵な「弱虫ペダル」だが、原作漫画とアニメ以外ではアニメシリーズより先にスタートした2.5次元(舞台化)に力を入れて盛り上がっており、映画まで手が回らないだろうなぁと思っていた。『弱虫ペダル Re:RIDE』と『弱虫ペダル Re:ROAD』という映画作品もあり、公式二次創作ネタと言える箱根学園の東堂の温泉旅館シーンなどはファンとしてはニヤニヤが止まらないが、この2作のメインはテレビシリーズの再編集。2.5次元ばかりじゃなく、本腰入れた映画作品は諦めかけていたところ、原作者が書き下ろしたオリジナルストーリーによる『劇場版 弱虫ペダル』が公開となったのだ。

『劇場版 弱虫ペダル』は原作では27巻あたりまで、テレビシリーズではひとつの収束を迎えた第2期までで描かれた、激闘のインターハイの後日譚的なエピソードとして熊本を舞台にした選抜校レースが描かれる。3年生にとっては引退直前の最後のレースだ。そして、3年生2学期にイギリス留学してしまった巻島先輩がフィーチャリングされる! 巻島といえば主人公・小野田が慕うキャラで、ファンはみんな大好き巻島先輩、弱ペのシンボル的存在だ。

この巻島が主人公の支えとなるのも弱ペの上手いところ。親分気質で冷静で頼れるキャプテンの金城や、大男で熱血漢の田所という先輩がいるにも関わらず、緑色のロン毛で変人でコミュ障(実はそうでもないが)の巻島が一番、小野田に近い存在となるのが面白い。

劇場版のオープニング、秋葉原に向かういつもの小野田くんにホッとさせられ、インターハイ結果を祝う垂れ幕に感動しつつ、巻島先輩の留学が発覚し、やきもきハラハラさせられる。巻島はイギリスに旅立ち、もう帰ってこないのか? 引退レースとなる熊本のレースには出場しないのか!?(後編へ続く…)(文:入江奈々/ライター)

『劇場版弱虫ペダル』DVD、Blue-rayは2月17日より発売中。

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