日本映画編/2016年も注目作が目白押し、音楽が気になる近日公開映画! クドカンのあの作品は!?

#映画を聴く

『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』
(C)2016 Asmik Ace, Inc. / TOHO CO., LTD. / J Storm Inc. / PARCO CO., LTD. / AMUSE INC. / Otonakeikaku Inc. / KDDI CORPORATION / GYAO Corporation
『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』
(C)2016 Asmik Ace, Inc. / TOHO CO., LTD. / J Storm Inc. / PARCO CO., LTD. / AMUSE INC. / Otonakeikaku Inc. / KDDI CORPORATION / GYAO Corporation

音楽が印象的に使われる映画をジャンルにとらわれず紹介するコラム【映画を聴く】。今回は2016年1月から3月までに公開が予定されている作品の中から気になるものをいくつかピックアップ、【映画を聴く】的なツボを軽く紹介したい。より詳しい紹介は、各作品の公開時にアップする予定。

●『LIVE!LOVE!SING!生きて愛して歌うこと 劇場版』(1月23日公開)

2015年3月にNHKで放送されたドラマの全長版。監督は連続テレビ小説『あまちゃん』の井上剛が担当。阪神・淡路大震災と東日本大震災に関わる作品を手がけてきた井上監督が、2つの震災を背景に作り上げたロードムービーとなっている。音楽は『あまちゃん』と同じく大友良英。近年は当コラムでも紹介した田口トモロヲ監督『ピース オブ ケイク』や黒沢清監督『岸辺の旅』といった映画で的確なスコアを提供してきた大友だけに、本作ではどんなアプローチを聴かせてくれるのか期待が膨らむ。

●『あらうんど四万十 カールニカーラン』(1月23日公開)

松井大佑監督の『あらうんど四万十 カールニカーラン』は、高知県四万十市に住むアラフォー男性4人組が、ロードレースに参加するために奮闘するドキュメンタリータッチのドラマ。依田伸隆のラグタイム調の軽快な音楽が映像にポップな彩りを加えているほか、主題歌にはシンガー・ソングライター、さかいゆうのヴォーカル曲を、挿入歌にはギタリストの松田弦とパク・キュヒの演奏によるギター・インストゥルメンタル曲を起用している。四万十市ののどかなロケーションに風通しのいい楽曲が寄り添う、遅れてきた青春映画として楽しめそうだ。

●『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』(2月6日公開)

宮藤官九郎×長瀬智也×神木隆之介という豪華な組み合わせが実現した『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』は、長瀬が“地獄でロック・バンドを率いる鬼”という役どころからしていつものクドカン節が期待できそうな奇天烈エンタテインメント。主題歌の「TOO YOUNG TO DIE!」は、2006年に活動を休止したTHE MAD CAPSULE MARKETSのヴォーカル、KYONOが担当。その他の楽曲をZAZEN BOYSの向井秀徳が手がけているほか、劇中にはシシド・カフカやROLLY、Char、マーティ・フリードマン、野村義男らが出演するなど、クドカン・コネクションをフル活用した豪華すぎる布陣にまず驚かされる。『少年メリケンサック』を上回る強力なパンク・ムービーに仕上がっていることは間違いないだろう。

●『イカれてイル?』(2月6日公開)

メンバー全員が中2のヒップホップ・グループ、MAGiC BOYZが主演する『イカれてイル?』は、“リアル中2病”をテーマにしたフェイク・ドキュメンタリー。今のところ詳しい情報は伝わってきていないのだが、神聖かまってちゃんのライヴ映像などを手がけている竹内道宏監督らしい、新世代の音楽映画に仕上がっているんじゃないだろうか。

●『ちはやふる』(3月19日公開)

人気少女コミックの映画化『ちはやふる』は3月、4月で2部作連続公開を予定している作品。Perfumeによる主題歌「FLASH」は、このために中田ヤスタカが書き下ろした新曲。競技かるたを題材とした物語に合わせて作られたアッパー・チューンらしく、トレーラーなどで部分的に聴けるそのサウンドは、映像とのリンクぶりが確かに凄まじい。Perfumeにとって実写映画では初となる主題歌だけに、グループとしても新たなフェーズに立つための記念すべき楽曲になるはずだ。(外国映画編へ続く…)(文:伊藤隆剛/ライター)

【映画を聴く】外国映画編/2016年も注目作が目白押し、音楽が気になる近日公開映画! 長山洋子デビュー曲が使われた映画とは?

伊藤 隆剛(いとう りゅうごう)
ライター時々エディター。出版社、広告制作会社を経て、2013年よりフリー。ボブ・ディランの饒舌さ、モータウンの品質安定ぶり、ジョージ・ハリスンの 趣味性、モーズ・アリソンの脱力加減、細野晴臣の来る者を拒まない寛容さ、大瀧詠一の大きな史観、ハーマンズ・ハーミッツの脳天気さ、アズテック・カメラ の青さ、渋谷系の節操のなさ、スチャダラパーの“それってどうなの?”的視点を糧に、音楽/映画/オーディオビジュアル/ライフスタイル/書籍にまつわる 記事を日々専門誌やウェブサイトに寄稿している。1973年生まれ。名古屋在住。

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