(前編)トム・クルーズが今回も体を張って大活躍。裏話まで完ぺきなエンタメ作の鑑

#週末シネマ

『ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション』
(C)2015 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
『ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション』
(C)2015 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』

7月31日に公開されるや、全米でシリーズ史上最高の初日興収(2030万ドル)をたたき出し、各国で好スタートを切った『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』。諜報機関「IMF」のエージェント、イーサン・ハントが不可能と思えるミッション遂行に奮闘するシリーズも5作目となり、主演のトム・クルーズも50歳を超えたが、スリリングな展開、超絶アクション・シーンの数々で、エンターテインメントの最高峰を目指す進化は止まらない。

今回のストーリーは、実態のつかめない多国籍スパイ組織<シンジケート>の謎を追うイーサンに、所属するIMF解体の危機が迫るという展開。ロンドン、ウィーン、モロッコなどを舞台に、イーサンとIMメンバーのチームが各国組織を離れた凄腕のならず者たちの組織(ローグ・ネイション)に立ち向かう。

予告編にも登場しているが、離陸する飛行機にしがみついたまま上空約1,500メートルまで飛び立ち、息継ぎなしで6分以上も潜水し、猛スピードのカー&バイク・チェイス、と次々に驚愕のスタントが畳みかけられる。毎回、トムが今度はどんなアクションに挑むのかがシリーズの最大のポイントだが、見事なのは、そのアクションのためのストーリー運びではなく、物語るためのアクションになっていること。サスペンスとアクション、どちらにも細心の注意を払い、あらゆる方向で観客を満足させる作品になっている。

3作目から登場するサイモン・ペグと4作目からのジェレミー・レナー、そしてシリーズ全作出演のヴィング・レイムスという脇を固めるキャラクターが確立していて、時にユーモラスなやりとりをはさんで緩急をつける。そこに、敵とも味方ともつかない謎の女スパイを演じるレベッカ・ファーガソン、IMF解体を命じるCIA長官役のアレック・ボールドウィンが良いスパイスとして存在している。(後編へ続く…)(文:冨永由紀/映画ライター)

【週末シネマ】(後編)トム・クルーズが今回も体を張って大活躍。裏話まで完ぺきなエンタメ作の鑑

『ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション』は8月7日より公開中。

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[動画]『ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション』予告編