【今週見るならこの映画!】『シンデレラ』の対義語は『スカーフェイス』? 男でも楽しめる脳内変換のご提案

『龍三と七人の子分たち』
(C)2015『龍三と七人の子分たち』製作委員会
『龍三と七人の子分たち』
(C)2015『龍三と七人の子分たち』製作委員会

うっかり彼女と見ようものなら、男心に強烈なプレッシャーを受けてしまうのが恋愛映画である。メルヘンな展開に背中がかゆくなったり、高すぎるイケメンへの期待や求めるハードルの高さに心がポキッっと折れてしまうことも。今週は北野武監督最新作やSFアクション『寄生獣 完結編』に加え、そんな恋愛映画のボス的存在『シンデレラ』がドドンと登場! そこで、防御対策も加えて5本を紹介!

【週末シネマリサーチ】先週は上位4作品完全的中!『シンデレラ』や『寄生獣 完結編』はどこまで順位に食い込めるか

『龍三と七人の子分たち』 4月25日公開
〈田舎のじいちゃんに会いたくなる〉
元ヤクザの組長で余生をくすぶりながら暮らしていた老人が、オレオレ詐欺(母さん助けて詐欺)に引っかかったことから昔の子分たちを集め、仕返しするエンターテインメント。これまでヤクザ映画やバイオレンスを多く手がけてきた北野武監督がメガホンを取り、主演・龍三役では北野監督作品初参加となる藤竜也が渋い魅力を発揮。七人の子分たちには近藤正臣や中尾彬など平均年齢72歳のベテラン俳優テラン陣が集結し、北野監督本人もビートたけしとして刑事役で出演している。

『寄生獣 完結編』 4月25日公開
〈染谷将太の目力にも注目〉
人間に寄生し人類を食い散らかすパラサイトと、右手にパラサイトのミギーを宿した高校生・泉新一との戦いを描いた、岩明均原作漫画の映画化。2部作の後編となる本作では、人間社会に溶け込み勢力を拡大していくパラサイトと人類の戦いが大規模に展開。前編の悲劇的なラストからパラサイトへの憎しみを募らせる新一や、パラサイトでいながら母性に目覚めた田宮良子のドラマが物語を盛り上げる。さらに原作でも人気の最強のパラサイト・後藤も登場。スピード感と迫力満点な異次元バトルに目が離せない!

『群盗』 4月25日公開
〈肉切り包丁の殺陣は迫力満点〉
王朝末期の朝鮮を舞台に、義賊となり腐敗した権力に立ち向かう男の壮絶な戦いを描く。『哀しき獣』や『チェイサー』のハ・ジョンウが家族を殺され復しゅうを誓う主人公を、『義兄弟 SECRET REUNION』などのカン・ドンウォンはミステリアスな悪役を好演。韓国映画といえば『オールド・ボーイ』のハンマーも衝撃的だったけど、本作で主人公が使う肉切り包丁も強烈!

『シンデレラ』 4月25日公開
〈豪華絢爛な世界観にうっとり〉
誰もが知る世界的に有名なラブストーリーを実写映画化。父が死に継母と義姉妹にいじめられながらも前向きに生きるヒロインが、ある日イケメンと出会って…という王道のラブストーリーだ。しかし、恋愛映画が苦手な男子諸君には王道には王道とばかりにギャング映画の定番『スカーフェイス』に脳内変換してみてはいかが? 最愛の父親を亡くし過酷な環境の中でもピュアに生きるヒロインを描く本作、かたやキューバからアメリカに亡命し社会の底辺でギラギラ生きるトニー・モンタナの成り上がり道を描いた『スカーフェイス』。義母&義姉妹のいじめに耐える姿はトニーがハンバーガーショップで働きながら「黄金を掴む手が玉ねぎ臭ぇ」ってぼやくシーンに、恋を邪魔する義母&義姉妹は野望の妨げをするボスのフランク、恋い焦がれるイケメン王子はモノにしたい高めの女エルヴィラ。魔法の馬車代わりにキャデラックを乗り回し、魔法の代わりにマシンガンをぶっぱなし、奇跡的な確率の中で夢や成功をたぐり寄せる……。対称的なれど、男脳に変換して観れば類似点もたっぷり。そう思えば恋愛映画も怖くない!……ハズ。

『白河夜船』 4月25日公開
〈安藤サクラの自然体な演技が魅力的〉
第38回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞するなど、ノリに乗っている安藤サクラが不倫相手との救われない恋や親友の死などに悩むヒロインを好演。作家・よしもとばななの眠り三部作の一遍ともいわれる同名小説の映画化で、悲しみや不安から眠りが深くなるヒロインだったが……。井浦新や谷村美月らが脇を固める。

(文:中村好伸)

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