話題作が続々公開! 音楽と映画を自由に行き来する新しい世代のミュージシャンたち/後編

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『Zアイランド』に出演するシシド・カフカ
(C)2015『Zアイランド』製作委員会
『Zアイランド』に出演するシシド・カフカ
(C)2015『Zアイランド』製作委員会

素足でドラムを叩きながら歌うシシド・カフカ
“素人”とは思えない女優力に注目

(…前編より続く)5月16日から公開される品川ヒロシ監督『Zアイランド』に看護師役で出演しているシシド・カフカも、現在注目されるミュージシャン/女優だ。2012年にシングル「デイドリームライダー」でデビュー。素足でドラムを叩きながら歌うスタイルが話題となり、175cmの長身を活かしてモデルとしても活躍している。

【映画を聴く】話題作が続々公開! 音楽と映画を自由に行き来する新世代のミュージシャンたち/前編

メキシコ生まれのアルゼンチン育ちで、好きな歌手は山口百恵。そんなユニークな経歴やアーティスト名からして話題性は十分だが、女優としてのデビュー作は、福山桜子監督の『愛を歌うより俺に溺れろ!』。続く2014年のドラマ『ファーストクラス』などでも、その“素人”とは思えない演技が絶賛されている。

ミュージシャンとしても4月9日スタートのフジテレビのドラマ『医師たちの恋愛事情』に斉藤和義との共作によるシングル「Don’t be love feat. 斉藤和義」が起用されるなど、着実にキャリアを重ねているが、女優としての存在感にも耳目が集まっており、しばらくはその動向を気にしておいた方がよさそうだ。

金子ノブアキも、音楽活動と俳優活動を長く並行しているひとり。父はドラマーの吉長、母は歌手の金子マリという出自からミュージシャンとして世に出たイメージがあるが、幼少の頃には子役としての活動もあり、俳優としてのキャリアも豊富である。

金子(ドラム)と実弟のKenKen=金子賢輔(ベース)、そしてギタリストCharの息子のJESSE(ヴォーカル&ギター)からなる3ピースバンドのRIZEは1997年のデビュー以来、一貫してラウド/ハードコア系のサウンドに主軸を置いており、ソフトな役どころでもどこかスリリングな存在感を漂わせる役者としての金子ともリンクする。

そんな金子の役者としての最新出演作は、5月30日公開の園子温監督『新宿スワン』。新宿・歌舞伎町を舞台とした和久井健の人気コミックの映画化で、金子はスカウト会社の幹部を演じているという。音楽や映画、ドラマを軽やかに行き来する存在として、その立ち位置は年を重ねるごとにオリジナルなものになっている。(文:伊藤隆剛/ライター)

伊藤隆剛(いとう りゅうごう)
ライター時々エディター。出版社、広告制作会社を経て、2013年よりフリー。ボブ・ディランの饒舌さ、モータウンの品質安定ぶり、ジョージ・ハリスンの趣味性、モーズ・アリソンの脱力加減、細野晴臣の来る者を拒まない寛容さ、大瀧詠一の大きな史観、ハーマンズ・ハーミッツの脳天気さ、アズテック・カメラの青さ、渋谷系の節操のなさ、スチャダラパーの“それってどうなの?”的視点を糧に、音楽/映画/オーディオビジュアル/ライフスタイル/書籍にまつわる記事を日々専門誌やウェブサイトに寄稿している。1973年生まれ。名古屋在住。

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