日本の映画界を牽引するジャニーズ俳優(前編)/ジャニーズ俳優の映画通信簿

#興行トレンド

岡田准一が主演し興収87億円の大ヒットを記録した『永遠の0』
(C) 2013「永遠の0」製作委員会
岡田准一が主演し興収87億円の大ヒットを記録した『永遠の0』
(C) 2013「永遠の0」製作委員会

毎年ジャニーズ俳優は映画に引っ張りだこだが、出演作はどのくらい興行収入を上げているのか。2010年〜14年までの5年間の「映画通信簿」を作ってみた(興収10億円以上の主演作のみをリストアップした)。

岡田准一と山下智久主演作が1・3位でジャニーズ強し! 佐藤健も90億超える大ヒット

<タイトル、出演者、興収、配給元を記載>
●2010年
『SP 野望編』(岡田准一)36.3億円(東宝)
『ハナミズキ』(生田斗真)28.3億円(東宝)
『大奥』(二宮和也)23.2億円(松竹、アスミックエース)

●2011年
『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(木村拓哉)41億円(東宝)
『GANTZ』(二宮和也)34.5億円(東宝)
『SP THE MOTION PICTURE 革命篇』(岡田准一)33.3億円(東宝)
『GANTZ THE PERFECT ANSWER』(二宮和也)28.2億円(東宝)
『神様のカルテ』(櫻井翔)18.9億円(東宝)
『僕と妻の1778の物語』(草彅剛)12.3億円(東宝)
『あしたのジョー』(山下智久)11億円(東宝)

●2012年
『映画 怪物くん』(大野智)31.3億円(東宝)
『僕等がいた 前篇』(生田斗真)25.2億円(東宝)
『僕等がいた 後篇』(生田斗真)17.2億円(東宝)
『源氏物語 千年の謎』(生田斗真)14.8億円(東宝)
『エイトレンジャー』(関ジャニ∞)12億円(東宝)

●2013年
『映画 謎解きはディナーのあとで』(櫻井翔)32.5億円(東宝)
『プラチナデータ』(二宮和也)26.4億円(東宝)
『劇場版 ATARU –THE FIRST LOVE & THE LAST KILL-』(中居正広)18.5億円(東宝)
『陽だまりの彼女』(松本潤)17.9億円(東宝、アスミックエース)
『図書館戦争』(岡田准一)17.2億円(東宝)
『脳男』(生田斗真)12.7億円(東宝)
『映画 妖怪人間ベム』(亀梨和也)11.7億円(東宝)

●2014年
『永遠の0』(岡田准一)87億円(東宝)
『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』(生田斗真)22億円(東宝)
『抱きしめたい-真実の物語-』(錦戸亮)15億円(東宝)
『近キョリ恋愛』(山下智久)11億円(東宝)
『蜩ノ記』(岡田准一)10億円(東宝)

ここ5年間で興収10億円以上のヒット作が多いのが生田斗真、岡田准一、二宮和也の3人だ。生田は『ハナミズキ』『僕等がいた 前篇』『僕等がいた 後篇』『源氏物語 千年の謎』『脳男』『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』の6本。岡田は『SP 野望編』『SP革命篇』『図書館戦争』『永遠の0』『蜩ノ記』の5本、二宮は『大奥』『GANTZ』『GANTZ THE PERFECT ANSWER』『プラチナデータ』の4本に主演している。生田は他のメンバーと異なり俳優専業で、ライブなどの音楽活動を行っていない。長期ライブが入ると映画出演がしづらいメンバーと異なり、映画に出演しやすい面もあるだろう。

なお、岡田が『永遠の0』で87億円をあげたが、ジャニーズ俳優としては『HERO』(木村拓哉/07年、81.5億円)を上回り最高記録となる。

ジャニーズ俳優のヒット作の配給会社を見ると、大半が東宝だ。東宝は興行網・配給網が強いためヒットしやすく、テレビ局が製作する映画はまず最初に東宝に話が持ち込まれるといわれる。ジャニーズ作品はヒットの可能性が高いので、配給する本数が多くなるようだ。

ただし、例外が『大奥』(松竹、アスミックエース共同配給)、『陽だまりの彼女』(東宝、アスミックエース共同配給)。どちらもアスミックエースが製作した作品で、『僕等がいた』、興収10億円には届かなかったが『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』もそうだ(配給は東宝)。ジャニーズ俳優と相性のいい映画会社といえそうだ。(後編は1月23日に配信予定)(文:相良智弘/フリーライター)

日本の映画界を牽引するジャニーズ俳優(後編)/ジャニーズ俳優が引っ張りだこの理由

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

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