【ヒットを探せ!】興行ランキング1位の大作がDVDでは苦戦?

城下貴光(Takamitsu Shiroshita)……カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社レンタル映像MD。1977年生まれ。2002年にカルチュア・コンビニエンス・クラブに入社。兵庫県店舗に所属し、四国店舗に移る。その後、映像バイヤー、スーパーバイザーを経験し現職に。
城下貴光(Takamitsu Shiroshita)……カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社レンタル映像MD。1977年生まれ。2002年にカルチュア・コンビニエンス・クラブに入社。兵庫県店舗に所属し、四国店舗に移る。その後、映像バイヤー、スーパーバイザーを経験し現職に。
城下貴光(Takamitsu Shiroshita)……カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社レンタル映像MD。1977年生まれ。2002年にカルチュア・コンビニエンス・クラブに入社。兵庫県店舗に所属し、四国店舗に移る。その後、映像バイヤー、スーパーバイザーを経験し現職に。
城下さんイチオシの『エンバー 失われた光の物語』
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面白いDVDを見たい!と思いつつも、販売店やレンタルショップの棚に並ぶ膨大な作品を前に、探す気力さえなくしてしまったということはないだろうか。そんな時の参考にしてほしいのがこの「ヒットを探せ!」。ショップやメーカーの目利きたちに話を聞き、やっぱり面白い大ヒット映画から意外な健闘を見せる未公開作品、話題のドラマなど、多彩なオススメDVDを紹介していく連載企画だ。

第1回目の今回は、TSUTAYAのレンタル部門で、洋画の展開を担当しているカルチュア・コンビニエンス・クラブの城下貴光さんに話をうかがった。

●人気はやっぱりアクション系!

劇場公開時の興行成績とレンタル時の人気度がイコールでないことはよくあることで、大ヒット映画が、DVDではパッとしなかったりすることも少なくない。そして、その象徴とも言える作品が『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』。57億1000万円の興収を記録して2008年の洋画興行ランキングで1位となった作品だが、レンタルではいまひとつ振るわなかったという。

「レンタルでは、昨年の洋画興行ランキング2位だった『レッドクリフ Part1』、同じく15位だった『ジャンパー』のほうが人気です。レンタルにおいては20代〜30代、そして50代の方々にどれだけ支持されるかが重要で、『インディ〜』は、年配の方々は見てくださったのですが、若い層が振るわなかった。前作からかなり時間が経っているので、20代以下の人たちには作品自体が知られていないのかもしれませんね。このあたりの層は、『ターミネーター』を知らない人も多いくらいなので」

では、レンタルで人気となるのはどんな作品なのか。

「スティーヴン・セガールのアクションものは人気がありますね。50代前後のヘビーユーザーに支持されているのですが、『水戸黄門』のような“お決まり”感があり、安心して借りられるからではないでしょうか。ニコラス・ケイジの主演作も安定した人気があるし、『ハンコック』をはじめウィル・スミスの主演作は、ドラマでもアクションでも、長期に渡って人気です」

シリーズものは、回を重ねれば重ねるほど人気が落ちてくる傾向があるそうだが、『バットマン』シリーズの最新作『ダークナイト』と、アドベンチャーアクション『ハムナプトラ3』は、前作を上回る人気なのだとか。『ダークナイト』は、日本では昨年の洋画興行ランキング16位ながらも、アメリカで新記録続出の大ヒットを記録し、出来映えも秀逸なので人気は当然とも思えるが、『ハムナプトラ3』の人気の理由は?

「実は予想外のヒットで、正直、僕も理由が見えないんです(笑)。前作から7年ほど経っていますし……。大作ではあるのですが、B級感丸出しなところが、逆に支持されたのかもしれません。40代〜60代の方々に加え、20代〜30代前半の方にもしっかり支持されています。みなさん、スカッとしたいのか、レンタルDVDではアクション系がやはり人気ですね」

一方、若年層に人気なのが、『ベガスの恋に勝つルール』と『ラスベガスをぶっつぶせ』。前者はキャメロン・ディアス主演のラブコメ、後者は、数学の天才が、その頭脳を武器にカジノで荒稼ぎするというほろ苦い青春ドラマ。

「偶然にも2本ともラスベガスものなのですが(笑)、両方とも10代後半から20代前半に圧倒的人気があります。『ベガスの恋に〜』は女性に人気で、『ラスベガスを〜』は男性に人気です」

●予想外の人気を博した伏兵とは?

前出の『ハムナプトラ3』もそうだが、予想外の人気を博したのが、スティーヴン・キング原作、フランク・ダラボン監督のパニックミステリー『ミスト』。

「作品の知名度はあまりないと思うのですが、ジャック・ニコルソン主演の『最高の人生の見つけ方』やトム・クルーズ主演の『ワルキューレ』などを上回る人気です」

また、思わぬ伏兵が、子犬たちの冒険を描いた『スノー・バディーズ 小さな5匹の大冒険』。

「笑いあり涙あり、感動もありといった作品ですが、意外な人気に驚きました。今年は『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』や『HACHI 約束の犬』など犬映画の話題作が続いたからかもしれません」

城下さん自身のオススメは、ファンタジーアドベンチャー『エンバー 失われた光の物語』、歴史大作『300〈スリーハンドレッド〉』のパロディ『ほぼ300〈スリーハンドレッド〉』。

「『エンバー〜』は、トム・ハンクスがプロデュースで、製作費も55億かけています。アメリカでは初登場11位でそこまで振るわず日本未公開作品となってしまいましたが、ティム・ロビンスやビル・マーレイなどキャストも素晴らしく内容的にも面白いので。『ほぼ300』は、ほんとうにバカバカしくてオススメです(笑)」

すでに展開中だそうだが、TSUTAYAでは、様々な理由で日本未公開となってしまった中から面白い作品を見つけ出して「TSUTAYAロードショー」と銘打ち、オススメ作品としてコーナー展開していくという。『エンバー』もその中の1本で、城下さんは、「TSUTAYA先行でDVDリリースもしますし、色々と後押ししていきたいと思っています」と話していた。

【TSUTAYA DVDレンタル/2009年上半期ベスト10】
(2009年1月〜5月)

1位 『ハンコック』(監督:ピーター・バーグ/主演:ウィル・スミス)
2位 『レッドクリフ Part1』(監督:ジョン・ウー/主演:トニー・レオン)
3位 『ウォンテッド』(監督:ティムール・ベクマンベトフ/主演:アンジェリーナ・ジョリー)
4位 『20世紀少年<第1章>終りの始まり 』(監督:堤幸彦/主演:唐沢寿明)
5位 『花より男子ファイナル』(監督:石井康晴/主演:井上真央)
6位 『ハプニング』(監督:M・ナイト・シャマラン/主演:マーク・ウォールバーグ)
7位 『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』(監督:ロブ・コーエン/主演:ブレンダン・フレイザー)
8位 『おくりびと』(監督:滝田洋二郎/主演:本木雅弘)
9位 『容疑者Xの献身』(監督:西谷弘/主演:福山雅治)
10位 『デトロイト・メタル・シティ』(監督:李闘士男/主演:松山ケンイチ)

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