女優と監督の待遇は大違い! 桃井かおりが明かす映画祭ウラ話

舞台挨拶にて。左から渡辺一志、桃井かおり、奥秀太郎監督
舞台挨拶にて。左から渡辺一志、桃井かおり、奥秀太郎監督

行き場のない焦燥感と絶望感にかられ、破滅へと向かっていく若者の姿を描いた『USB』。現在公開中のこの作品の舞台挨拶が6月13日に都内劇場で行われ、キャストの桃井かおり、渡辺一志と奥秀太郎監督が登壇。映画について語った。

2007年、桃井が初監督作である『無花果の顔』のためにベルリン映画祭に参加した時に、やはり監督作『カインの末裔』で同映画祭に参加していた奥監督と出会ったのが交流の始まり。

「2人とも、たった1人ぼっちでリュックを背負って自前で来ていたんです。監督の映画を見たらすごくおもしろくて、道でばったり会った時に話しかけたのが最初です。映画祭は女優として行くのと監督で行くのでは待遇が違って、非常に寂しい思いをしていた時だったので、奥監督とは情報交換をしたり『私たちが勝ちたいですね』という話をしていました」と桃井。

撮影について桃井は、「静かで淡々とした現場でした。でも、どんなに時間がかかっても構わない感じで、『巻きでお願いします!』みたいなテレビの軽さに慣れていた時にバシッと殴られたような気がして、いい感じでした。あれから反省したので、またいい俳優になっていますよ」と語った。また、「私はすごく発声が悪くて有名なんですけど、この映画に参加して『今まで発声が良すぎたな』ということに気づき(笑)、ものすごく緊張したのを覚えています。もっと“人間の音”を出さないと、ここではなんか女優みたいに見えてしまうぞ、と思った記憶があります」と、刺激的な現場だったことを明かした。

そんな桃井との仕事について監督は、「何も言うことがないくらいありがたい時間でした。この映画は桃井さんがあってこそできあがった作品だと思っています」と感慨深げに語っていた。

『USB』には、先日、パパになったばかりの野田秀樹も出演。この日は残念ながら野田の登壇はなかったが、監督は「お世話になっている野田さんが、こうして全てを手に入れられて(笑)。ファンとして、今後の作品を楽しみにしていますし、何でも手伝わせてくださいという感じです。おめでとうございます!」とメッセージを贈った。

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