カンヌで『白いリボン』がパルムドールに!ゲンズブールが女優賞受賞

第62回カンヌ国際映画祭が24日閉幕した。イザベル・ユペールが審査員長を務めた本年度のコンペティション部門で、最高賞のパルム・ドールに輝いたのはミヒャエル・ハネケ監督の『白いリボン(原題)』。第一次世界大戦直前のドイツを描いたモノクロ作品で、上映直後から本命視されていた作品だった。グランプリは地元フランスのジャック・オディアール監督の『預言者』。審査員賞は、04年に『オールドボーイ』で審査員特別グランプリ受賞経験のある韓国のパク・チャヌク監督の『コウモリ(原題)』と、英国のアンドレア・アーノルド監督の『Fish Tank(原題)』が受賞。

女優賞は、ラース・フォン・トリアー監督の問題作『反キリスト(原題)』で、息子を亡くしたばかりの母親を演じたシャルロット・ゲンズブール。衝撃的な映像が延々と続く作品で、上映中にブーイングも起きたが、受賞スピーチでシャルロットは声を震わせながら、「この賞をラースと分かち合いたいです」と語った。男優賞はクエンティン・タランティーノ監督、ブラッド・ピット主演の『イングロリアス・バスターズ』に出演したクリストフ・ウォルツ。公式上映の際にレッドカーペットを盛り上げたブラピもタランティーノ監督も授賞式には出席せず、ちょっと寂しそうな表情だった。

今年のコンペ部門には残念ながら日本映画は選出されず、東京を舞台にした2本の作品『MAP OF THE SOUNDS OF TOKYO』(原題)『Enter the Void』(原題)も受賞を逃した。

映画祭前半には、『イングロリアス・バスターズ』のタランティーノ監督と主演のブラピ(もちろんアンジーを同伴)、『Broken Embraces』(原題)のペドロ・アルモドバル監督とペネロペ・クルスといったスターたちも来場。だが、受賞結果を見ると、ハネケにラース・フォン・トリアーと、今年は賛否両論の“問題作”と呼ばれる作品を評価する年になったようだ。

日本からは、「ある視点」部門に、是枝裕和監督が韓国のペ・ドゥナをヒロインに起用した『空気人形』、諏訪敦彦監督がフランスの俳優イッポリト・ジラルドと共同監督した『ニナとユキ』(原題)が出品された。また、前述の『MAP OF THE SOUNDS OF TOKYO』(原題)はイザベル・コイシェ監督の菊地凛子主演作で、日本の映画人が当たり前のようにインターナショナルな活躍を見せる時代がついにやって来たようだ。

昨年1月、ヒース・レジャーの急逝で、一時は製作中止の危機に瀕した彼の遺作『Dr.パルナッサスのイマジナリウム(原題)』が22日にお披露目されたのも話題を呼んだ。ヒース亡き後、彼が演じたトニーを、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が引き継いで完成させた。記者会見でギリアム監督は「ヒースはこの映画の共同監督なんだ」と語った。

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