役所広司、アカデミー賞授賞式に向け英語スピーチを練習中!?/『わが母の記』会見

左から樹木希林、役所広司、原田眞人監督
左から樹木希林、役所広司、原田眞人監督

文豪・井上靖の自伝的小説を映画化し、第35回モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリに輝いた『わが母の記』。この映画の記者会見が4月18日に日本外国特派員協会で開かれ、役所広司、樹木希林、原田眞人監督が登壇した。

[動画]『わが母の記』予告編

2008年公開の『クライマーズ・ハイ』のときにも、この場で会見に臨んだという原田監督は「そのときは、このようにたくさんの方がいなくて、確か10〜20人くらいだったかと思います」と挨拶。役所も「前回は『聯合艦隊司令長官 山本五十六』でここに来させていただきましたが、今回の方が記者さんの数が多いように感じます」と話した。

樹木は「この映画は2011年3月10日に沼津の海岸で撮り終えたのですが、次の日に津波が来たんです」とコメント。「完成した映画がモントリオール世界映画祭に行き、審査員から評価を受けましたが、そのときのみなさんの眼差しが『あんなに美しかった日本が、あんな風になってしまって……』という気持ちと共に『がんばれよ』と言われているように感じました。今日もそう感じています」と外国人記者も多い会場に向かって話した。

また樹木は、本作で呆けていく主人公(役所)の母親を演じ、テレビでも認知症治療のCMに出ているが、そうした役作りについて聞かれると「おおざっぱな役者なので、リサーチはしないです。ただ、年齢がもう70歳になるので、日本ではほかに認知症の役をやりたがる女優がいないため、私に回ってきました」と回答。

老けメイクについては日本映画は資金が潤沢でないことに触れ、「ハリウッドの鉄の女のサッチャーのように、メイクアップアーティストがちゃんとついて、時間とお金をかけてメイクをしていただけないんです。撮る順番も、若かったり、1時間後には老けていたり、その配慮は一切ありません」と『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』を引き合いに出しながら、やや愚痴モードになっていた。

一方、アカデミー賞外国語映画賞受賞の可能性を尋ねる質問に、原田監督は「僕はこの業界であまり好感を持たれていないようなので」と回答。樹木は「私のムコ(本木雅弘)が『おくりびと』で外国語映画賞を頂戴しております」と話すと「私も好感を持たれていない役者なので、難しいと思っております」とコメント。続けて聞かれた役所は「僕はもう授賞式のためにスピーチを英語でできるように、すでに練習中であります」と機転を利かし、会場を沸かせていた。

『わが母の記』は4月28日より全国公開される。

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