世界的評価を得るアーティストが、映画イベントで性同一性障害について涙の告白

松永大司監督(左)とピュ〜ぴる(右)
松永大司監督(左)とピュ〜ぴる(右)

性同一性障害の現代アーティスト、ピュ〜ぴる。“男”から“女”へと変化を遂げたピュ〜ぴるの8年間の軌跡を追ったドキュメンタリー映画『ピュ〜ぴる』のイベントが3月3日に渋谷ユーロスペースで行われ、ピュ〜ぴる本人と松永大司監督が出席。トークショーを展開した。

『ピュ〜ぴる』作品紹介
[動画]『ピュ〜ぴる』予告編

ロッテルダム国際映画祭でも上映され、観客投票ランキングの上位になるなど高い評価を得た本作。ピュ〜ぴるは「監督は長年の友人で、『映画を作りたい』って言うから、『じゃあ、私を撮れば?』って(笑)」と制作のきっかけをあかし、「当時は、命をかけて愛した人がいて、それが『男性から女性になりたい』と強く思ったひとつのきっかけとしてあります。あと、肉体的にも精神的にもボロボロで、もう遺作になるかもしれないという思いもありました」と、制作の裏に秘められた思いを振り返った。

去勢手術に話が及ぶと、「あのときは、手術をすることを監督や友人、そして、当時愛していた人だけにしか伝えてなくて、家族には一切秘密にしていました。手術が終わって目が覚めたとき、両親のことが頭に浮かび、もうこれで自分のDNAを残すことができないんだと思ったら、申し訳ない気持ちでいっぱいになって、泣いてしまいました」と、涙を浮かべた。

また松永監督も「去勢手術というのは、ある種、タブーに近くて、現実社会においてかなり非日常的な出来事でもありました。でも、手術のときもずっとそばにいたのですが、結構あっけなく終わってしまって、『え? もう終わったの?』と言ったくらい。ピュ〜ぴるも『もう終わっちゃった』と戻ってきたのですが、麻酔が切れて、親に申し訳ないと泣いていたときは、僕も初めてカメラで撮りながら涙が止まらなかった」と振り返っていた。

最初は、ただ友人であるピュ〜ぴるを撮っているだけだったという松永監督だが、「撮影しているうちに、映画として完成させたいと思うようになりました」と告白。「ピュ〜ぴるの大切な時間、変化を、映像に収めることができたので、ぜひ、1人でも多くのお客様に劇場に起こしいただければ」とアピールしていた。

『ピュ〜ぴる』は、3月26日より渋谷ユーロスペースほかにて全国順次公開される。

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