『愛のむきだし』の鬼才・園子温監督、自作はすべて最高傑作!?

園子温監督
園子温監督

満島ひかりブレイクのきっかけともなり、作品としても各方面から高い評価を得ている『愛のむきだし』。12月12日に新文芸座でこの作品の特別上映会が行われ、鬼才監督・園子温がトークショーを行った。

『冷たい熱帯魚』鬼才監督、夫婦らしく見せるため「とりあえずキスしろ」と演出

この日の進行をつとめたのは雑誌「映画秘宝」を立ち上げた田野邊尚人。学生時代からの付き合いという園監督と田野邊は、自主映画を一緒に作ったこともあるそうで、監督は「宣伝費がまったくないなかで、いろんなことをやりました」と自主映画宣伝の思い出を振り返った。

『愛のむきだし』は237分の長尺。田野邊がそのことに触れると、園監督は「4時間にはしたくなかったんです。結構、切ったんですけどね。スタッフと悩んだ末、後半部分は紙芝居とかYouTube配信とかにすれば、と言われました」と苦笑い。

田野邊が「実話がベースですよね」と聞くと園監督は、「知り合いに盗撮が趣味で、妹が新興宗教の団体に隔離されてしまった人がいます。彼が妹に『こっちの世界に戻ってこい』と言い、妹を取り戻そうとしたと聞き、そのセリフが印象に残り、『愛のむきだし』を作るきっかけになりました」と説明。一方で、「新興宗教の世界もどうかと思うけど、(盗撮が趣味の)彼の世界も普通とは言えないですからね」とクールな意見を述べていた。

園監督の最新作は、猟奇殺人をテーマにした『冷たい熱帯魚』。監督ならではの狂気の世界が迫力ある映像で描き出されるこの作品は来年1月に公開されるが、監督は「自分にとっても最高傑作のいい映画ができたと思います」と自画自賛。そして「最高傑作」だと毎回思っていると明かしてから、「(『冷たい熱帯魚』は)『愛のむきだし』よりもエンターテインメントになっています。ぜひご覧いただけたら嬉しいです」とPRにも余念がなかった。

『冷たい熱帯魚』は1月29日よりテアトル新宿ほかにて全国順次公開される。

園監督はまた、来週開催される第23回早稲田映画まつりの映画・映像業界セミナーにも登壇。『冷たい熱帯魚』を例に、製作から公開に至るまでの経緯を語るという。

「第23回早稲田映画まつり/映画・映像業界セミナー」
トークショーゲスト:園子温監督、千葉善紀(プロデューサー)
開催日時:12月21日/16:30開場、17:00スタート
場所:早稲田大学大隈講堂
公式サイト:http://www.wasedafilmfes.com/

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