新たな時代の風はハリウッドにも! 映画業界に見える様々な変化の証

#令和

『ボヘミアン・ラプソディ』
(C)2018 Twentieth Century Fox
『ボヘミアン・ラプソディ』
(C)2018 Twentieth Century Fox

5月になり、日本に令和の時代が訪れた。元号が変わったのは日本だけだが、ハリウッドにも新しい風が吹いていることが感じられるのが今の季節だ。

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4月26日の全米公開から週末3日で3億5000万ドルの興行収入を記録した『アベンジャーズ エンドゲーム』。同時公開の日本やアジア、ヨーロッパなど各国でも空前の大ヒットとなっている。2008年から続いたシリーズは、アイアンマンやキャプテン・アメリカなど白人男性が演じるヒーローが中心だったが、『アベンジャーズ』シリーズの終盤にはブラックパンサーのヒーローたち、さらに女性のキャプテン・マーベルも新たに加わり、まさに多様性とインククルージョン(包括性)という昨年のアカデミー賞授賞式以来のキーワードを具現化している。

日本のポケモン・シリーズをハリウッドで実写化した『名探偵ピカチュウ』でも、ピカチュウの助けを借りて、父の行方を捜す主人公ティムはアフリカ系の母親と白人の父親を持つ設定。刑事だった父の同僚役は渡辺謙が演じるなど、こちらも様々な人々が共に暮らす、多様性に満ちたアメリカの現実により近づけて作られている。

振り返れば、今年のアカデミー賞の俳優部門の受賞者は、主演男優賞がエジプト系アメリカ人のラミ・マレック(『ボヘミアン・ラプソディ』)、主演女優賞は白人のイギリス女優、オリヴィア・コールマン(『女王陛下のお気に入り』)だったが、彼女もいわゆる“若くてモデルのような外見”ではない。助演男優賞はアフリカ系アメリカ人のマハーシャラ・アリ(『グリーンブック』)、助演女優賞もアフリカ系アメリカ人のレジーナ・キング(『ビール・ストリートの恋人たち』)と、様々なバックグラウンドを持つ“マイノリティ”と考えられる俳優たちに光が当てられた。

新しい風というと、イギリス王室のメーガン妃(サセックス公爵夫人)の存在もある。昨年5月にヘンリー王子と結婚し、待望の第1子をご懐妊、出産予定は4月下旬から5月上旬と言われているが、出産発表は誕生からしばらく期間をおいてから行うという。従って、王子の母である故ダイアナ元妃や義姉のキャサリン妃のように出産直後に赤ちゃんを抱いて病院前で撮影に応じることもない。サセックス公夫妻は先日、夫妻独自のインスタグラムのアカウントを開設したが、これはロイヤルベビー誕生の第一報を伝えるためと見られている。

令和元年を迎えた日本には、どんな新しさがもたらされるだろうか。