生田斗真「賛否両論ある映画。みなさんの意見が早く聞きたい」

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生田斗真
生田斗真
生田斗真
瑛太と生田斗真
左から富田靖子、夏帆、瑛太、生田斗真、佐藤浩市、山本美月、瀬々敬久監督

映画『友罪』公開記念舞台挨拶が5月26日にTOHOシネマズ 日比谷で行われ、W主演をつとめた生田斗真と瑛太をはじめ、佐藤浩市、夏帆、山本美月、富田靖子、瀬々敬久監督が登壇した。

『友罪』公開記念舞台挨拶、その他の写真

本作は、ミステリー界の若手旗手として注目される薬丸岳が2013年に発表した同名人気小説の映画化作品。連続児童殺傷事件で世間をさわがせた少年Aの、その後を描いた人間ドラマで、町工場で働く友人(瑛太)をかつての少年Aではないかと思うようになった主人公(生田)の葛藤を描く。

「作品に多くの願いや希望の光を込めた」と口にした生田は、「たくさんの方に、特に日本の社会をこれから担っていく方に見てもらって、僕たちの思いが届いてほしい。友情とは何かを考えてもらえたら嬉しいですし、この映画を大切にしてくれたら光栄です」と挨拶。

瑛太は「こんなに多くの方が映画を見てくれたことに嬉しい気持ちでいっぱい」と笑顔を見せつつ、「今日は雨男の斗真と一緒なのに晴れたね(笑)」とジョークを飛ばし場を和ませた。

また、本作がある種のタブーをはらんだ難しいテーマに挑んだ作品であることから、登壇者がそれぞれ、撮影当時を振り返る場面も。己の罪と闘いながら友となった鈴木の真の姿を探る元週刊誌ジャーナリストの益田純一役を演じた生田は「特に賛否両論ある映画だと思う」と作品全体を考察しながら、「どういうことを感じたのか、みなさんの意見が早く聞きたい気持ちです」とコメント。

元少年A・鈴木秀人役を演じた瑛太は、実際に原作小説のモチーフとなった神戸児童連続殺傷事件における少年Aの手記を読み、「人間である以上、動物である以上、そういった(少年Aのような)衝動が生まれてきてしまうということに、どこか共感めいたものを感じてしまう部分もあった」と複雑な心境を吐露。「いろいろなことを感じたが、演じるとなったら、どんな役でも愛していないと僕は演じることができないので、僕自身が鈴木を守ってあげたいと愛しながら撮影していました」と述べた。

元AV女優という暗い過去を持ちながらも、次第に鈴木に惹かれていく藤沢美代子役に体当たりで挑んだ夏帆は、憧れの瀬々監督作品の出演に大きな喜びを感じつつも「正直、即決で決められた訳ではなかった」とオファーを受けた際の心境を明かすと、「美代子を受け入れることができるかすごく悩みましたが、だからこそ挑戦したい気持ちが勝った」と振り返った。

益田の元恋人で、自身も雑誌記者である杉本清美役を演じた山本は、生田との共演を振り返り「普段は本当に気さくに話しかけてくださっていたのですが、編集部に益田が乗り込んでくるシーンの撮影時に、生田さんがテストの時からピリッとした空気感を作っていらして、やっぱり生田さんはすごいなと思いました」と述懐。生田のことを「尊敬している」と続けると、生田は照れ笑いを浮かべながら「すみません、役者ぶっちゃって(笑)」と笑わせた。

医療少年院でかつての鈴木を担当していた白石弥生役に扮した富田は「初めて台本を手にした時に、どうやって演じたらよいか結論の出ないまま撮影に挑みました。内容はピリッとしたシーンが続きましたが、撮影は割と淡々と、静かに進みました」と語った。

また、生田は佐藤について「浩市さんは自分のシーンじゃなくてもいつも現場にいてくださって。本当に映画が好きな方なんだなと。すごく安心しましたし、素敵だなと思って嬉しかった」と、家族を離散し息子の罪を償い続けるタクシードライバー山内修司役を演じた大先輩の佐藤を立てると、当の佐藤は「なんか俺がすごく暇みたいじゃん(笑)」と笑いながら生田に突っ込み。

これに登壇者一同、笑顔を見せる中、佐藤は「罪であったり、赦(ゆる)すということに千差万別の意見や答えがある中で、結局なぜ我々がこういったテーマを映画として提示するのか。見ていただいた方には、物語を自分自身に照らして、ご自身なりの答えを紐解いていただきたい」と真剣な表情で訴えかけていた。