4年連続で右肩上がり! 春休み映画は『ドラえもん』がぶっちぎりの勝利

#ドラえもん#映画興収レポート

『映画ドラえもん のび太の宝島』
(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2018
『映画ドラえもん のび太の宝島』
(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2018

3月公開作の1位は『映画ドラえもん のび太の宝島』。公開後23日間で興収32.7億円。前作(最終興収44.3億円)を23%上回るペースで興収を伸ばしている。脚本を映画プロデューサーで小説家の川村元気が担当し、星野源が主題歌と挿入歌の2曲を書き下ろした。完成披露試写会では、ゲスト声優を務めた長澤まさみ、お笑いコンビ「サバンナ」の高橋茂雄が登壇。公開初日の舞台挨拶も行い、話題作りに一役買った。

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過去10年間のシリーズの興収を見ると、段階的に興収が伸びてきた。08年〜11年は24億円〜33億円、12年〜14年は35億円〜39億円。15年に39.3億円を上げてからは年々伸び続け、16年に41.2億円、17年に44.3億円を記録している。

08年『のび太と緑の巨人伝』33.7億円
09年『新・のび太の宇宙開拓史』24.5億円
10年『のび太人魚大海戦』31.6億円
11年『新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』24.6億円
12年『のび太と奇跡の島 〜アニマルアドベンチャー〜』36.2億円
13年『のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』39.8億円
14年『新・のび太大魔境 〜ペコと5人探検隊〜』35.8億円
15年『のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)』39.3億円
16年『新・のび太の日本誕生』41.2億円
17年『のび太の南極カチコチ大冒険』44.3億円

『名探偵コナン』は17年まで5年連続でシリーズ最高興収記録を更新しているが、ドラえもんも4年連続で右肩上がり。今回も前作を上回りそうだ。

2位は『リメンバー・ミー』。2月下旬にリー・アンクリッチ監督とエイドリアン・モリーナ監督が来日した際は日本語吹き替え版声優を務めた石橋陽彩(ミゲル役)、藤木直人(ヘクター役)、松雪泰子(イメルダ役)が出席。3月上旬のジャパンプレミアイベントでは声優3人に加え、日本版エンドソングを手がけたシシド・カフカと東京スカパラダイスオーケストラが出席。シシドとスカパラは歌を披露した。新作短編アニメ『アナと雪の女王 家族の思い出』が同時上映されていることもヒットを後押しした。

3位は『ブラックパンサー』。米国では興収6億3100万ドル(3月25日時点)をあげ、『アベンジャーズ』(6億2300万ドル)を上回りマーベル映画史上ナンバーワンヒットとなった。このペースで興収を伸ばせば、歴代興収4位『ジュラシック・ワールド』(6億5200万ドル)、3位『タイタニック』(6億5900万ドル)も射程圏内だ。

一方、日本ではアメコミ映画の興行力はアメリカより弱い。それでも本作は3月25日時点で13.8億円。昨年の『ジャスティス・リーグ』11億円、『ワンダーウーマン』13.4億円を抜き、『ドクター・ストレンジ』18.7億円に迫っている。(文:相良智弘/フリーライター)

[3月公開作ランキング]
1位『映画ドラえもん のび太の宝島』32.7億円
2位『リメンバー・ミー』16.8億円
3位『ブラックパンサー』13.8億円
(3月25日時点。ムビコレ調べ)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

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