GW映画の勝者は『美女と野獣』! 邦画実写では明暗分けた菅田将暉とキムタク映画

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『美女と野獣』
(C) 2017 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
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邦画実写1位は菅田将暉主演『帝一の國』

【映画興収レポート】GW映画編

ゴールデンウィーク映画の興行ランキングをまとめた。

1位は『美女と野獣』。公開から16日間で興収60億円を突破しており、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(興収116.3億円)に並ぶペース。興収100億円突破に向けて好調を維持している。日本語吹き替え版は「プレミアム吹替版」と称し、ベルの声を務める昆夏美、野獣役の山崎育三郎らミュージカル界で活躍している俳優を中心にキャスティングした。『アナと雪の女王』は字幕版と吹き替え版の両方を見るリーピーター客が大ヒットを生んだ。『美女と野獣』も“両面作戦”で息の長いヒットを狙っている。

『美女と野獣』、『アナ雪』超えペースで大ヒット中!

2位は『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』。公開から23日間で興収53.9億円。前作を6%上回っており、5年連続でのシリーズ最高更新が見えてきた。

3位は『ワイルド・スピード ICE BREAK』。公開から10日間で興収25.2億円。前作を60%以上上回る猛ダッシュを見せており、こちらもシリーズ最高の前作(35.4億円)超えが見えてきた。3月末から5月中旬にかけて、主役のヴィン・ディーゼルが実際に乗った「ダッジ・アイス・チャージャー」が全国41カ所を縦断中。場所によってはイベント開始4時間前から並ぶ猛者が現れたり、約1000人が行列をなすなど大好評で、PR効果は大きかった。また公開初日の4月28日には日本テレビ系「金曜ロードSHOW」で前作『SKY MISSION』が放映されたことも動員を後押しした。

4位は劇場版25周年記念作『クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』。公開から23日間で興収13.2億円。前作を20%ほど下回っている。ゲスト声優に志田未来が初登場したり、お笑いコンビ「雨上がり決死隊」の宮迫博之と蛍原徹が15年ぶりに参加するなどの話題性はあったが、前作超えとはならなそうだ。

5位は『帝一の國』。4月29日公開で『ワイルド・スピード』のような猛ダッシュとはならなかったが、2週目の週末興収は1週目を上回っており、今後の興収の伸びに期待できそう。製作元のフジテレビではスピンオフドラマ『帝一の國〜学生街の喫茶店〜』やスペシャル番組を放送したり、『VS嵐』『ホンマでっか!?TV』にメインキャスト6人が全員で出演。さらに個別で他局のバラエティ番組に出演するなどしてPRに務めた。公開中は菅田将暉と永井聡監督が日本縦断舞台挨拶ツアーを敢行。4月30日にTジョイ博多、広島バルト11、TOHOシネマズ梅田、ミッドランドスクエアシネマ(大阪)、5月1日に札幌シネマフロンティア、TOHOシネマズ仙台、MOVIXさいたま、5月2日にTOHOシネマズ新宿、新宿バルト9、新宿ピカデリーを回った。

なお、『帝一の國』と同じ4月29日に公開された木村拓哉主演『無限の住人』は興収6.3億円と伸び悩んでいる。(文:相良智弘/フリーライター)

[GW映画ランキング]
1位『美女と野獣』67億円
2位『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』53.9億円
3位『ワイルド・スピード ICE BREAK』25.2億円
4位『クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』13.2億円
5位『帝一の國』9.4億円
(5月7日時点。ムビコレ調べ)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。

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