「最後は税金に頼ろうとする」東国原前宮崎県知事が東電の態度に怒り!

テレビカメラに手を振る東国原英夫前宮崎県知事
テレビカメラに手を振る東国原英夫前宮崎県知事

今年のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』の試写会が、5月16日にスペースFS汐留で行われ、東国原英夫前宮崎県知事が登壇。集まった150人の大学生たちとディスカッションを繰り広げた。

[動画]『インサイド・ジョブ』イベントに東国原英夫前宮崎県知事が登壇

同作は、リーマン・ショックがなぜ起きたのか、責任は誰にあったのかを緻密に解き明かしていく秀作。東国原前知事は「衝撃の証言もあり、興味深かった。インタビュー主体で構成されているのですが、2時間、飽きさせない」と出来映えを褒めた。また、アメリカのアラン・グリーンスパン前FRB議長やヘンリー・ポールソン前財務長官など、大きな責任があると思われる人々が軒並み取材拒否しているのも注目すべき部分だが、東国原前知事は「インタビューを拒否された方々の話も聞きたかった」と残念がっていた。

政財界と学者たちが結びつき自己の利益のために国民を犠牲にした構図が、日本の東電・政府・学者の関係に酷似しているが、東国原前知事は、公共性のある民間企業(東電)が、何かあったときに「我々をつぶしていいのか? つぶせば他もつぶれ、社会が混乱する」と開き直る態度について「すごく頭にくる」とコメント。「そして破綻したら、最後は国民の税金に頼ろうとする態度が、すごく鼻につきますね。自分たちで責任を持て!って話なんですけど。そう言うと『電気を安定供給しなくていいんですか?』って話になる」と怒りを露わに。そして「私は、電気は自由化し、地域限定は突破すべきだと思っています」と持論を展開。「規制緩和しすぎるのもどうかと思うので、民営化とのバランスを考えていかなければいけない」とも付け加えた。

ディスカッションでは、政治献金の現状にも言及。宮崎県知事時代は企業献金をすべて断ったという東国原だが「正直、資金的に3年も持たない。(自分は)よく持ったと思います」と吐露。政治団体を登録し事務所を開かないといけないという縛りがあるため、「月に100万、200万円かかってしまう。これは首長の給料ではまかなえない。いくらかの献金を受けないとやっていけない現状がある」と問題提示した。

その後の囲み取材で、この日の感想を聞かれた東国原前知事は「若い方たちは、熱くて意識の高い方が多いですよ。非常に期待しています」と感心した様子。

近況について聞かれると「無職なんです」と寂しげな笑み。今は講演会に参加したり勉強会を立ち上げる準備をしているとも話していた。落選に終わった都知事選については、震災の影響で「十分に活動できなかった」と残念そうに語ったほか、石原慎太郎都知事の4選出馬については「コケましたね。候補者全員がそうだと思いますが」と苦笑いしていた。

また、内田裕也の逮捕に絡め「逮捕されてもいいほど復縁を迫りたい人はいるか」と聞かれると「います。でも、こっちに熱はあるんですけど、向こうに熱がないので」と片思いであることを明かしていた。

最後のコメントでは、「リーマン・ショックの舞台裏を赤裸々に描いた作品。今後の経済や国のあり方を考える上で、一見の価値があると思います」と映画をアピールしていた。

『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』は5月21日より新宿ピカデリーほかにて全国順次公開される。

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