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『轢き逃げ -最高の最悪な日-』中山麻聖×石田法嗣インタビュー

超絶演技派・水谷豊の高い要求に緊張がマックス!

『轢き逃げ -最高の最悪な日-』中山麻聖×石田法嗣インタビュー
台本を読んで初めて、監督が水谷豊さんと知り「おーっ!!」と(中山)

『轢き逃げ-最高 の最悪な日-』
2019年5月10日より全国公開
(C)2019映画「轢き逃げ」製作委員会
轢き逃げ事件を起こした青年と同乗者の親友、青年の婚約者、被害女性の父母、ベテラン刑事と新米刑事。事件を機にそれぞれの人生が絡み合い、心の奥に隠れていた心情が暴かれていく。

人間の心の奥底を映し出す濃密なドラマ『轢き逃げ -最高の最悪な日-』は、テレビドラマシリーズ『相棒』でおなじみの俳優、水谷豊の監督第2作目だ。キャストは、青年・秀一に中山麻聖、親友・輝に石田法嗣。W主演を務めた2人に、撮影秘話などを語ってもらった。


──オーディションで役を掴んだそうですね。

インタビュー中の中山麻聖(左)と石田法嗣(右)
中山:こういう映画のオーディションがあるよ、と事務所の方から聞いて受けました。事務所の方は監督が水谷豊さんだと知っていたと思いますが、僕は知らされていませんでした。秀一の部屋を輝が訪ねてきて会話するシーンをテストしましたが、難しかったですね。脚本2ページ分で、どちらの役も覚えてきてほしい、と言われまして、当日にどちらをやるかを聞きました。

石田:僕も同じですが、その2ページのセリフがすごく多くて覚えるのも必死でした。麻聖とは会わなかったから、別の組だったと思います。

──実際に役に決まったときの気持ちは?

石田:嬉しかったのですが、実際の台本が届いてみたら輝の役がけっこう大変で(笑)。どうやって挑めばいいのかな、という不安が大きかったですね。

──その段階で監督が誰なのかを知ったのですか?

『轢き逃げ-最高 の最悪な日-』
(C)2019映画「轢き逃げ」製作委員会
石田:はい。「はっ!!」って(笑)。

中山:僕も最初は役に決まったことだけ聞いたので、単純に嬉しかったです。昨年の3月に入って準備稿をいただいたときに、監督が水谷さんって書かれていて、「おーっ!!」と(笑)。そこで初めて事の重大さを知りましたね。

──ロケは4月から始まったそうですが、役作りなどはいつ頃からされましたか?

中山:監督に最初にお会いしたときに、「なるべく自分の価値観に固執しないで、普通に演じてほしい。フラットな状態で」とおっしゃっていただいたので、「秀一ならばこうする」と作り込んでいくことはせず、フラットな状態で撮影現場に行きました。あとは、会社員の役なのでスーツ姿が多かったのですが、何分この仕事をしているもので、スーツを着慣れていないんです。だから、実はクランクインする前の1ヵ月間、無意味にスーツを着て過ごしていまして、コンビニに行くときもスーツ、部屋にいるときももちろん(笑)。きっと周りの人からは「あいつ就活を始めたのか」と思われていたんじゃないかと(笑)。

石田:初めて聞いた(笑)。

中山:着慣れているかどうかなんて映像からはわからないかもしれませんが、自分としては不慣れな部分が嫌だったので(笑)。これまでは新人の役とかが多かったのでスーツを着こなせてなくてもよかったのですが、今回は新人ではなかったので。

──石田さんはいかがでしたか?

『轢き逃げ-最高 の最悪な日-』
(C)2019映画「轢き逃げ」製作委員会
石田:スーツ着て暮らすとか、そういうストイックなことは何もしていません(笑)。素直に言っちゃうと、どうやって演じようかと悩んでいましたね。麻聖と僕と2人で本読みをしたときに、水谷監督が求めている輝と違っていることを指摘されて、それでもうわからなくなっちゃって。そこからもう水しか飲んでなくて。それで、2回目の本読みのときに、「なんとか大丈夫かな……」みたいなことを(監督に)言われて、「あ、これはヤバイ」って、また水しか飲めなくなっちゃって。最後に全体の本読みのときに、「監督、どうでした?」って聞いたら、「なんとか光が見えてきた」と言われて、やっとご飯を食べられるようになって(笑)。すごく大変でした。

──監督が思っていたのと違う、というのは、具体的にはどういうところですか?

石田:明確には言われなかったのですが、多分、僕が独りよがりな演技に持っていっちゃったのだと思います。監督が細かく修正してくださったのですが、それを自分のものにするのも追いつかなくて。別の方にアドバイスをいただいたりもしながら調整して、なんとかたどりついた感じです。

──水谷豊監督からのアドバイスで印象に残っていることは何ですか?

中山:最初に言っていた「フラット」ですね。はっきり覚えているので。役者として当たり前なのですが、本当にあらためてキチンと教えていただいたように思います。

石田:たくさんのアドバイスの中で、今、ポンと浮かんだのは、撮影終了の前日に監督に言われた言葉です。「自分の意識とは別のところまで持っていって演じると、芝居をしていて楽しい、心地よい、と感じられる。そこまで持っていったらいいと思うよ。あー、でもごめんね。1日じゃ時間ないね」って(笑)。「今日の宿題として明日までにやってきます」ってお返事しました。

中山:また、水谷さん自らが演じて見せてくれるのですが、先輩の役者さんのお芝居ですから、これはもう見逃せないと。少しでも多くの情報を得たくて、食らいついて監督の動き・呼吸を見させていただいてました。

石田:水谷さんは、輝の演技を見せてくれた後にすぐ監督の顔に戻るのですが、瞬時に変わるのがすごいなって。切り替えの早さで思い出すのは、最終日に撮影したシーンです。本当に大変なシーンで、監督も僕の演技を見て「うーん」ってなって。そのとき、監督が瞬時に反応して、撮ろうとしていたビジョンを変えたんですよ。「自分のせいで悪いな」と思ったのと同時に、「監督の切り替えの早さはすごいな」と。いくつもの引き出しがあるというか。(中山に向かって)あのシーンね、見ておいたほうがよかったよ。

中山:自分が出演しないシーンも見ておきたいと思っていて、ほとんどの撮影を見学していたんですよ。でも、あの時は法嗣がすごく集中力を要するシーンだったので、ここに俺はいない方がいいな、と思って見学を控えてたんです。そしたら、そんなにすごいことになってて(笑)。

──考えるだけでものすごく緊張する状況ですね。

石田:もう死にそうでしたよ(笑)。その一言だったかひとつの動きだったか覚えていませんが、数回やってもできなかったんですよ。それで瞬時に別バージョンに変えて、オーケーになったんですけど。

──完成した映画のそのシーンを見たとき、いかがでしたか? 

石田:客観視できない(笑)。なんか(撮影した長さよりも)短くなってる、とか、僕はこんな顔してたんだ、とか思ったり。

(2019/05/09)


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中山麻聖
なかやま・ませい

1988年生まれ。東京都出身。04年に『機関車先生』で映画デビュー。『アノソラノアオ』(12年/父・三田村邦彦と共演)に主演したほか、テレビドラマ『警視庁ナシゴレン課』(16年)、『べっぴんさんSPドラマ 恋する百貨店』(17年)などに出演。今年秋には主演作の劇場版『牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-』が公開予定。

石田法嗣
いしだ・ほうし

1990年生まれ。東京都出身。映画『カナリア』(05年)やSPドラマ『火垂るの墓-ほたるのはか-』(05年)で主演を務めて注目される。その他、『The Depths』(10年)、『相棒-劇場版-』(17年)など多数の作品に出演。19年は、映画『空母いぶき』、『スウィート・ビター・キャンディ』『さよなら家族』などの出演作の公開が控えている。

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