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『記者たち〜衝撃と畏怖の真実〜』ロブ・ライナー監督インタビュー

嘘がはびこる中、真実を求め戦った人々の姿を描く

『記者たち〜衝撃と畏怖の真実〜』ロブ・ライナー監督インタビュー
トミー・リー・ジョーンズはとてもいい人だけどとても無口だから会話が続かない

『記者たち〜衝撃と畏怖の真実〜』
20019年3月29日より全国公開中
(C)2017 SHOCK AND AWE PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
大手メディアが政府の情報操作に迎合し、保身に回る中で、唯一、事実を突き止めるために行動した新聞記者たちがいた……。

2003年のイラク戦争開戦時のアメリカで起こった出来事を映画化した『記者たち〜衝撃と畏怖の真実〜』は、フェイクニュースが飛び交い真実が一層不確かなものとなった今こそ見ておきたい問題作だ。

大義なき戦争を阻止するために立ち向かう記者たちの姿を描いたのは、『スタンド・バイ・ミー』など数多くのヒット作を手がけたロブ・ライナー監督。製作、出演まで兼務した彼に、映画に込めた思いを聞いた。


──ジョーイ・ハートストーンの脚本で監督されるのは、前作『LBJ ケネディの意志を継いだ男』に続き2回目ですが、本作では彼にはどんなことを要求されましたか。

ロブ・ライナー監督
監督:ジョーイと前作『LBJ〜』を作ったことは素晴らしい経験でした。本作については、03年にアメリカが戦争に向けて動き出したころから制作を考えていました。まず、『博士の異常な愛情』のような風刺映画にしようとしたのですが頓挫しました。次は、直球の人間ドラマにしようとしましたが、それもうまくいきませんでした。そしてジョーイと一緒に作品をつくったときに、正義を貫いたナイト・リッダーの4人の記者のドキュメンタリーを見たことを思い出したのです。それで、彼に話を持ちかけました。「こういうアイデアがあるんだけど、興味がありそうな人知ってる?」と。実を言うと、『LBJ〜』の制作中に、ジョーイと本作について交渉を進めていました。何度かエージェントとやりとりをして、作品に参加してくれることになりました。ジョーイに賛同してもらえてとても嬉しかったし、実際も彼は密接に協力してくれて、私たちは何度も何度もアイデアを手直ししていきました。思いもよらない記録映像を見つけることもあって、それも作品に取り入れたりしました。

──本作は、驚くことに、たった26日間で撮影したそうですね。短い期間で撮影を終えた秘訣は何ですか? なぜそんなことが可能なのでしょうか。

監督:これまで20作品くらい手がけてきて、映画以外にも色々な作品の制作に携わってきました。どれもそれぞれ違っていて常に課題はありますが、効率的に無駄を省けるポイントがだんだんと分かってきます。なんとなくその作品に何が必要で、何が不要なのか気づくようになるんです。そうしたら、最終的に使わないだろうな、と思うシーンの撮影はしなくてもよくなります。撮影期間が26日しかないことが分かったら、自分の技術や経験を全部使います。たとえば、私はいつもカメラを2台使ったりします。今回は、カメラマンのバリー・マーコウィッツがチームに参加するのは3回目でしたが、それもラッキーでした。彼の撮る映像は素晴らしいです。自然光を使って、撮るのがものすごく早くて、チームワークも抜群でした。それが今回の撮影ですごく助かりました。

──撮影中の様子を教えてください。

『記者たち〜衝撃と畏怖の真実〜』
(C)2017 SHOCK AND AWE PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
監督:(モデルとなった実際の記者)ジョナサン・ランデーとウォーレン・ストロベルの関係について本人たちに聞くと、冗談を言い合ったり意見を交わしたりなど、ふたりで組むことを楽しんでいたと言っていたので、そういうふたりの雰囲気を作品のなかでも表現したいと思っていました。ですので、ウディ・ハレルソンとジェームズ・マースデンが出演をOKしてくれたこともとても良かったです。彼らはアドリブをしかけあっていて、ふたりの最高に笑える掛け合いが作品の中に表現できたのです。

──主演ジョナサン・ランデー役のウディ・ハレルソンについて質問です。ハレルソンは名優で今回も大成功を収めていますが、彼のどんなところがジョナサン・ランデー役にはまったのでしょうか。

監督:まずウディの何がすごいって、コメディーから人間ドラマ、アクションまで何でもできるものすごい俳優だってことです。主役のキャスティングを考えたとき、まずウディが思い浮かび、ランデーを演じるのにぴったりなのは彼しかいないと思いました。ランデーはちょっと変わっているのですが、ウディにもそういう変な一面がありますからね。そして彼に一番に連絡したら、すぐに参加すると言ってくれました!

──トミー・リー・ジョーンズはいかがでしたか? 彼は、日本のCMに出演しているので、日本人にも非常に人気があるんですよ。

監督:トミーはベテランの俳優ですから、現場であれこれたくさん指示を出す必要がなく、もうすでに自分が何をするのか分かっているのです。俳優としてのプロ意識がものすごく高いのですが、気難しいところなんて少しもない。ただ、とってもいい人なんだけど、とっても無口なので会話がすぐに終わってしまうんです。口数が少ないから、こっちがたくさん喋ることになるのが時々大変でしたが、一緒に作品を作ったことは素晴らしい経験になりました。トミーとのシーンで何が楽しかったかというと、上手いテニス選手とプレイしているような感覚でした。絶対にボールをこっちに返してくれると確信しています。そして、私がボールを追いかけていって、向こうに打ち返す。俳優としても一緒のシーンでは演技がしやすかったし、監督としても彼がいることで撮影しやすかったです。

──監督として俳優から最高の演技を引き出す秘訣は何かありますか。また、なぜ少ないテイク数で素晴らしい演技を引き出すことができるのでしょうか。

『記者たち〜衝撃と畏怖の真実〜』撮影中のロブ・ライナー監督
監督:おそらく私自身のこれまでの俳優としての経験や、今も俳優として作品に出演していることが役立っていると思います。彼らと同じ演じる立場だったこともあるので、役者の気持ちを理解できるし無茶なことは要求しません。それから、居心地がよくて誰もがやりたいことを表現できる雰囲気づくりも心がけています。俳優たちも現場の雰囲気が好きで、信頼してくれています。できないと分かっていることを無理にさせることはしないですから。

──撮影でこだわった部分はありますか?

監督:技術的に難しいことはいくつかありました。爆発などを撮影に使いたいときはいつもですが、リアルに見せたいし、同時に強い印象も与えたい。そのバランスが難しいですね。それから、魅力的な新聞社のオフィスを作ることにもこだわりました。何日もあのセットで撮影をしますし、今までに何度もジャーナリズムをテーマにした作品で描かれてきています。だからオフィスが魅力的に見える方法をいろいろ試しました。ちゃんと成功していると思います。みなさんにも魅力的に見えていると嬉しいです。

(2019/04/10)


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Rob Reiner
ロブ・ライナー

1947年3月6日生まれ、ニューヨークのブロンクス出身。映画監督の父をもち、子役として活躍。成人後にテレビ番組の演出を手がける。84年に『スパイナル・タップ』で映画監督デビュー、『スタンド・バイ・ミー』(86年)、『プリンセス・ブライド・ストーリー』(87年)、『恋人たちの予感』(89年)、『アメリカン・プレジデント』(95年)、『最高の人生の見つけ方』(07年)などのヒット作を多数監督。俳優としても活躍し、『めぐり逢えたら』(93年)、『ブロードウェイと銃弾』(94年)、『エドtv』(99年)、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(13年)などに出演。

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