国境地帯の麻薬戦争──リアルすぎる衝撃作への思い語る
デル・トロ:まず初めに脚本を読んだ時、とても個性的で世界観が出来上がっていると思った。まずそれがモチベーションになったし、(前作に続いて演じた暗殺者)アレハンドロの物語を探求する機会でもあった。それから(5回目の共演となる)主演俳優のジョシュ・ブローリンだ。彼との仕事はすばらしい。カメラの前ではとても真剣だしウソをつかない。だけどカメラの後ろでは面白いし、よく笑うんだよ。
デル・トロ:脚本については、規模が大きくなった。何というか、より凶悪になっているし、前作より壮大だ。そして予測不可能だね。テイラー・シェリダンの脚本はすごくいい。興奮するような内容だよ。人物の描き方もすばらしいし、会話もいい。この続編でもワクワクしたよ。
デル・トロ:僕が思うにアレハンドロは、大人しくしていたのにマット(ジョシュ・ブローリン)に呼ばれ新たな任務に就く。そう、新たな任務なんだ。この映画で描かれる任務を通じて、多くのことが明らかになる。感情的になりすべてを奪われてしまうんだ。
デル・トロ:アレハンドロは多分、娘と一緒に経験したはずの人生を繰り返すことになるんだ。そのことによって、彼の中でなにかが変わっていく。イザベルはカルテルのボスの娘だが、彼らの関係は変化していく。娘に起こったはずのことを、カルテルのボスの娘にしているうちにね。彼は心を開いていき、同情が生まれるというか、仇敵の娘にそういう感情を持つようになる。
デル・トロ:監督はとても柔軟で、それがよかった。ジェフリ・ドノヴァンや、ジョシュや僕は前作で同じ人物を演じている。監督は臨機応変に許容してくれたんだ。僕ら自身のキャラクターの解釈や、続編でそれを発展させることもね。
1967年2月19日生まれ、アメリカの自治領・プエルトリコ出身、ペンシルバニア育ち。大学在学中に俳優を志し、『ユージュアル・サスペクツ』(96年)で注目を浴びる。『トラフィック』(00年)で、プエルトリコ人としては初となるアカデミー賞(助演男優賞)を受賞。『21グラム』(03年)でもアカデミー賞にノミネートされた。『チェ』二部作(08年)でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞。その他、『007 消されたライセンス』(89年)、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14年)、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(17年)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18年)などに出演。