『トガニ 幼き瞳の告発』チョン・ユミ インタビュー

子どもたちを守ろうとする情の厚い女性を演じた演技派

#チョン・ユミ

いつも「真剣に感じて表現できているのか」と自分に問いかけながら演じていました

衝撃の問題作『トガニ 幼き瞳の告発』は、韓国のとある聴覚障害者学校で行われていた生徒たちへの虐待と、その裁判の行方を描いた作品だ。事実を基にしていて、映画のヒットが政府を動かす原動力となり、性暴力犯罪の処罰などに関する特例法「トガニ法」が制定されるに至った。

ネットで話題を呼び、出版後はさらに大きな反響を巻き起こした小説が原作で、主演した韓流スター、コン・ユの熱い想いが映画化に繋がったという。

この作品で、学校教師の主人公と共に事件の解決を目指す人権センターの幹部を演じたのは、演技派女優チョン・ユミ。破天荒ながらも人一倍正義感の強いヒロインを生き生きと演じた彼女に話を聞いた。

──あなたが演じたキャラクターについて教えてください。

チョン・ユミ:ムジン市の人権運動センターの幹事で、(主人公の)イノを通じて障害学校の子どもたちが暴行を受けていることを知り、イノと一緒に、子どもたちを助けようと事件の解決に向けて立ち向かう人物です。普段は図々しい性格ですが、手助けを必要としている人々には精一杯力になってあげようとする情の厚い女性です。

──演じる上で、一番気をつけたのはどんなところですか?

チョン・ユミ:観客は、主人公のカン・イノと、私が演じたソ・ユジンに感情移入して映画を見ると思っていたので、いつも「真剣に感じて表現できているのか」と自分に問いかけながら演じていました。

社会の暗い面を捉えた実話を基にしているので、プレッシャーはありました
(C) 2011 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED

──主演コン・ユとの共演はいかがでしたか?

チョン・ユミ:コン・ユさんとは初めて一緒にお仕事しましたが、よく会っていたせいか、とても楽な気持ちで撮影することができました。でも、子どもたちの演技を見るのは、モニター越しでさえ辛かったですね。彼らは本当に立派で、とても明るく元気でした。そんな子どもたちに元気をもらった感じです。撮影中、私が子どもたちのためにできることは、彼らの演技を見守り、応援することだと思っていました。

──とても衝撃的な内容なので、出演を迷ったりしたのでは?
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チョン・ユミ:社会の暗い面を捉えた実話を基にしているので、プレッシャーはありました。私の存在がマイナス効果となってしまわないか、自分にこの作品に出演できるほどの器量があるのかと悩みました。最終的には、少しでも事件解決につながる手助けができれば……と思い、出演を決めました。

──本作に出演したことで感じたことはありますか?

チョン・ユミ:この事件では、決してあってはならないことが起きました。多くの観客がこの事件を知ってくれれば、大きな力になると思います。

チョン・ユミ
チョン・ユミ
ちょん・ゆみ

1983年1月18日生まれ。演技力に定評のある韓国人女優。主な出演作は『甘い人生』(05年)、『人喰猪、公民館襲撃す!』(09年)、『家族の誕生』(06年)、『グッドモーニング・プレジデント』(09年)など。

チョン・ユミ
トガニ 幼き瞳の告発
2012年8月4日よりシネマライズほかにて全国公開
[監督]ファン・ドンヒョク
[出演]コン・ユ、チョン・ユミ
[DATA]2011年/韓国/CJエンタテインメント/125分
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